
ロマンス詐欺の二次被害とは、恋愛感情を利用した詐欺でお金を失った被害者へ、「騙されたお金を取り戻せる」「海外口座を追跡できる」「犯人を特定した」と近づき、調査費用や返金手続費用をさらに支払わせる被害です。
被害直後は、「家族に知られたくない」「一円でも取り戻したい」「今すぐ動かなければ間に合わない」という焦りが強くなります。その心理につけ込み、探偵、調査会社、返金支援業者、法律事務所の提携先などを名乗るケースがあります。
しかし、調査会社や探偵が返金を保証したり、依頼者の代理人として返金交渉を行ったりすることはできません。調査で相手の情報や被害経緯を整理できる場合はありますが、返金の実現には、金融機関、警察、弁護士など適切な窓口との連携が必要です。
この記事では、ロマンス詐欺の二次被害で使われる勧誘手口、偽調査業者を見分けるポイント、契約前後に保存すべき証拠、追加送金してしまった場合の対応を、ファミリー調査事務所 新宿支店が解説します。
この記事の内容
このような勧誘を受けていませんか?
- 「被害金を100%取り戻せる」と断言された
- SNS広告を見た直後、LINEだけで契約を迫られた
- 海外の捜査機関や金融機関と提携していると言われた
- 被害金回収のため、調査費や保証金の先払いを求められた
- 弁護士を紹介すると言われたが、担当弁護士の氏名を確認できない
- 契約書を受け取る前に個人口座や暗号資産での支払いを求められた
- 「今日中に契約しないと資金が消える」と急かされている
- 調査結果として、根拠の分からない犯人の住所や残高を示された
ご相談内容の概要
| 相談者 | 40代女性 |
|---|---|
| 相談地域 | 東京都新宿区 |
| 最初の被害 | SNSで知り合った外国人男性を名乗る人物から投資を勧められ、複数回送金 |
| 二次被害の経緯 | 返金支援を広告する調査業者へ相談し、着手金と追加調査費を支払った |
| 業者の説明 | 海外口座を特定した、返金手続きには追加費用が必要と説明 |
| 手元の情報 | 契約書、振込明細、LINE履歴、業者サイト、担当者名、電話番号 |
| 相談目的 | 業者の実態確認、証拠整理、追加送金を止めるための判断材料の確保 |
ご相談の背景|返金を焦る気持ちにつけ込まれたケース
ご相談者は、SNSで知り合った外国人男性を名乗る人物と毎日連絡を取り、将来の生活や結婚について話す関係になりました。その後、「二人の将来の資金を増やそう」と暗号資産投資を勧められ、指定されたサイトへ複数回入金しました。
画面上では利益が増えていましたが、出金を求めると税金や保証金の支払いを要求されます。不審に思って相手へ質問すると連絡が途絶え、そこで初めてロマンス詐欺の可能性を疑いました。
返金方法を検索して見つけたのが、「詐欺被害の返金実績多数」「海外口座も追跡可能」と宣伝する調査業者でした。担当者から「犯人グループの口座はすでに特定できている」「今なら全額回収できる可能性が高い」と説明され、着手金を支払いました。
ところが数日後、「海外当局へ情報を開示させる費用」「口座を凍結するための保証金」など、当初の契約にない追加費用を求められました。説明に疑問を持ったご相談者が、西新宿の相談室へ契約書とスマートフォンを持参したことで、二次被害の確認が始まりました。

「返金できる」と言われたときの注意点
追加送金を求められても、その場で支払わないでください。
「口座凍結の期限が迫っている」「今日中なら取り戻せる」と急かされても、まず契約書、業者の会社情報、探偵業届出の表示、担当者、支払先、調査内容を確認してください。すでに振り込んだ場合は、広告やサイトが消える前に画面を保存し、振込先の金融機関へ速やかに相談することが重要です。
探偵や調査会社が対応できるのは、公開情報の確認、関係先の実態確認、対象者情報の整理、被害経緯の時系列化、調査報告書の作成などです。被害金の返還請求や示談交渉を依頼者の代理で行う業務は、調査業務とは異なります。
また、「海外のデータベースへ特別にアクセスできる」「秘密の方法で口座残高を確認できる」といった説明があっても、根拠となる資料や確認方法が示されなければ信用しないでください。サイトに探偵業届出番号が書かれているだけで、返金能力や調査品質が保証されるわけでもありません。
ロマンス詐欺の二次被害で多い6つのパターン
偽調査業者が使う典型的な勧誘手口
「全額返金できる」「成功率はほぼ100%」と断言し、高額な着手金を先払いさせます。調査結果と返金の実現は別問題であり、確実な返金を約束する説明には注意が必要です。
犯人の口座を凍結できるとして、保証金、海外送金手数料、税金などの名目で追加費用を請求します。支払うたびに別の名目が出てくることがあります。
「提携弁護士が回収する」と説明しながら、弁護士名、所属事務所、委任契約の内容を明らかにしません。紹介先が実在しても、実際に受任しているかは別途確認が必要です。
十分な資料を渡していない段階で「住所と資産を特定した」と伝え、報告書の閲覧や情報開示と引き換えに追加料金を求めます。
過去に相談したサイトや入力フォームから漏れた可能性のある情報を使い、事情を知っているように装って電話やSNSで接触します。
解約を申し出ると違約金を請求したり、「今やめれば犯人が逃げる」と不安をあおったりして、契約の継続や追加支払いを迫ります。
実際に行った調査・対応・情報整理
本件では、最初から業者を違法と断定せず、確認できた事実と、ご相談者が受けた説明を分けて整理しました。サイトの印象や担当者の態度だけではなく、契約内容、会社情報、支払先、成果物の整合性を確認することが重要です。
- 最初のロマンス詐欺被害を時系列化
相手と知り合った日時、送金を求められた理由、送金日、金額、振込先、出金を拒否された経緯を整理しました。 - 二次被害業者との接触経路を保存
検索広告、業者サイト、問い合わせフォーム、LINEアカウント、通話履歴、担当者名を確認し、削除される可能性がある画面を保存しました。 - 契約書と勧誘説明を照合
契約書に記載された調査範囲、期間、料金、解約条件と、電話やLINEで説明された「返金」「口座凍結」の内容に相違がないか確認しました。 - 会社と支払先の実態を確認
サイトに掲載された商号、所在地、代表者、連絡先、探偵業届出に関する表示を整理し、振込先名義との関係を確認しました。 - 提出された調査結果を検証
業者から送られた口座情報、海外住所、資金残高とされる画像について、出典や確認方法が説明されているかを点検しました。 - 追加支払いを停止
未確認の「口座凍結保証金」は支払わず、今後の連絡を記録として残す方針を共有しました。感情的な追及や証拠削除につながる連絡は避けました。 - 相談先へ渡す資料を作成
最初の詐欺と二次被害を分けた一覧表を作り、振込先金融機関、警察、消費生活相談窓口、弁護士へ説明しやすい状態にまとめました。
確認結果とその後の解決方法
確認の結果、業者が説明していた「海外口座の残高」や「口座凍結の手続き」について、根拠となる正式資料や確認経路は示されませんでした。また、契約書に定められた調査内容と、追加費用を求める際の説明にも複数の相違が確認されました。
この時点で詐欺と断定するのではなく、確認できた不自然な点、未確認事項、支払記録を報告資料へ整理しました。ご相談者は追加送金を中止し、振込先金融機関へ連絡するとともに、警察と消費生活相談窓口へ資料を提出しました。契約の解約や返金請求については、法律上の判断を含むため弁護士への相談を案内しました。
二次被害で支払った費用が必ず戻るとは限りません。しかし、広告、契約書、請求メッセージ、振込明細、通話履歴を早い段階で保存することは、業者の説明を検証し、その後の相談を進めるための重要な材料になります。
詐欺被害調査の全体像を確認したい方へ
ロマンス詐欺を含む金銭被害では、送金履歴、相手のプロフィール、契約書、SNS、Webサイトなどを散逸させず、相談先へ説明できる形に整理することが大切です。
追加の「返金手続費用」を払う前にご相談ください
返金を急ぐ気持ちが強いほど、業者の説明を冷静に判断することは難しくなります。契約書、広告、メッセージ、振込明細を確認し、事実と未確認情報を整理します。

ロマンス詐欺の二次被害調査にかかる費用
費用は、確認する業者数、保存されている資料、会社や関係先の確認範囲、調査地域、報告書の内容によって異なります。相談時に資料を確認し、必要な調査だけを選んだうえで、調査開始前にお見積りをご案内します。
| 調査・対応内容 | 料金 |
|---|---|
| 契約書・広告・勧誘内容の情報整理 | 案件内容によりお見積り |
| 調査業者の会社情報・所在地確認 | 案件内容によりお見積り |
| 担当者・振込先・関係先の実態確認 | 案件内容によりお見積り |
| Webサイト・SNS・公開情報の確認 | 案件内容によりお見積り |
| 証拠の時系列整理・調査報告書作成 | 案件内容によりお見積り |
すでに警察や弁護士へ提出できる資料がそろっている場合、追加調査が必要ないこともあります。返金の可能性を誇張して高額な調査を一律に勧めることはありません。
担当調査員からのコメント
ロマンス詐欺の二次被害に関するよくある質問
A. 最初の詐欺被害で返金を望む人へ近づき、調査費、口座凍結費、保証金などを追加で支払わせる被害です。探偵や返金支援業者、海外機関の代理人を名乗る場合があります。
A. 慎重な確認が必要です。調査で情報を整理できても、相手に資産があるか、法的に回収できるかなど複数の条件があるため、調査会社が返金を確実に保証することはできません。
A. 探偵の役割は調査や情報整理です。依頼者の代理人として法律事件の交渉を行う業務は弁護士の領域となるため、返金請求を進める場合は弁護士へご相談ください。
A. 商号、所在地、代表者、固定電話、契約書、調査内容、料金、解約条件、支払先名義を確認します。探偵業届出の表示だけで判断せず、勧誘時の説明と契約書が一致しているかも確認してください。
A. それ以上の送金を止め、振込先金融機関へ速やかに連絡してください。広告、サイト、契約書、LINE、メール、振込明細、通話履歴を保存し、警察、消費生活相談窓口、弁護士などへ相談します。
A. ウォレットアドレス、取引ID、利用した交換業者、送金日時などを整理できる場合があります。ただし、送金経路が分かることと、受取人の特定や返金が実現することは同じではありません。
A. はい。広告画面、メッセージ、振込明細、担当者の電話番号など、残っている資料から整理します。サイトが削除される可能性もあるため、URLだけでなく画面全体を保存してください。
A. 業者数、会社情報、関係先、資料量によって異なります。短期間の公開情報確認で整理できる場合もあれば、所在地や関係者の実態確認に日数を要する場合もあります。
A. 確認対象と調査範囲によって異なるため、案件内容によりお見積りとなります。契約前に必要な確認事項と料金を明確にし、不要な調査を省けるか検討します。
A. 秘密厳守で対応します。電話を受けられる時間帯や連絡方法についても配慮できます。匿名での初回相談も可能です。
A. 内容により対応可能です。新宿区や東京都内だけでなく、遠方の所在地やオンライン上だけで営業する業者についても、確認可能な範囲を整理します。
A. 緊急性や被害状況によって異なります。送金直後は金融機関への連絡を優先し、犯罪被害の可能性は警察、契約解除や返金請求などの法的対応は弁護士へ相談してください。判断できない場合は、資料を時系列にまとめて双方へ説明できるよう準備します。
返金を約束する業者へ、これ以上支払う前に
ロマンス詐欺の被害を取り戻したい気持ちにつけ込む二次被害は、最初の被害以上に相談しにくい問題です。しかし、追加送金を続ければ被害額がさらに大きくなるおそれがあります。
契約書、広告、LINE、振込明細など、現在残っている資料から状況を整理できます。調査が必要なのか、金融機関、警察、弁護士など別の窓口を優先すべきかも含めてご案内します。




新宿支店
ロマンス詐欺の被害者は、「自分が信じたことを責められるのではないか」という不安から、家族や警察へ相談できずにいることがあります。その孤立した状況で「私たちだけが返金できる」と言われれば、信じたくなるのは自然なことです。
ただし、被害を取り戻すために新たな保証金や解除費用を送る必要があると言われたら、一度立ち止まってください。調査で確認できる事実と、返金交渉や法的手続きは分けて考える必要があります。追加送金を止め、残っている記録を消さないことが最初の対応です。