
テレワーク中の社員が勤務時間に何度も外出しており、在宅勤務の勤務実態が見えない。オンラインでは「在宅勤務」となっているのに長時間連絡が取れない、Web会議の直前になると参加できないという連絡が入る、勤務時間中に自宅から繰り返し外出しているという情報がある――。テレワークを導入している企業では、オフィス勤務とは異なる勤務管理上の悩みが生じることがあります。
ただし、勤務時間中に自宅から出たという事実だけで、社員が仕事をサボっているとは断定できません。会社が認めている休憩、業務上の外出、外回り、通院など、就業規則や会社との取り決めによって許容される事情も考えられます。
一方で、在宅勤務として報告されている時間帯に毎回数時間連絡が取れず、本人の説明もその都度変わるなど、会社側の記録と説明に継続的な不一致があれば、管理者として状況を放置できないケースもあります。
このような場合に重要なのは、最初から「テレワークを悪用している」と結論付けることではありません。会社が把握している勤務予定、連絡状況、本人の説明と、勤務時間中に客観的に確認できる行動を整理することです。
この記事では、テレワーク中の社員による繰り返しの外出に違和感があり、在宅勤務の勤務実態を確認したい企業担当者に向けて、調査前に整理すべき情報、確認できる行動、プライバシーへの注意、従業員素行調査の進め方、調査後の企業対応についてファミリー調査事務所 新宿支店が解説します。
この記事の内容
テレワーク社員についてこのような状況はありませんか?
- 在宅勤務中に数時間連絡が取れないことが繰り返されている
- 勤務時間中の外出が以前より増えている
- オンライン会議へ参加できないことが特定の曜日に集中している
- 本人へ外出理由を確認するたび説明が変わる
- 在宅勤務の日だけ業務への反応が極端に遅くなる
- 外回りの予定がない日にも長時間外出しているという情報がある
- 勤務報告と実際の稼働状況に継続的な違和感がある
- 在宅勤務中に私用や別の仕事をしているのではないかという情報がある
- 本人を問い詰める前に事実関係を確認したい
- テレワーク制度そのものを見直すべきか判断材料が欲しい
テレワーク中の社員の勤務実態を確認したい|相談内容概要
| 相談者 | 東京都内の企業・管理部門担当者 |
|---|---|
| 対象者 | テレワークと出社を組み合わせて勤務する社員 |
| 主な問題 | 在宅勤務日に勤務時間中の外出と連絡不能が繰り返されている |
| 会社側の情報 | 勤務予定、業務報告、Web会議予定、社内連絡履歴、本人からの説明など |
| 気になる状況 | 特定の曜日・時間帯に数時間連絡が取れず、外出理由の説明にも変化がある |
| 確認したいこと | 勤務時間中の外出頻度、外出時間、行動パターンと勤務報告との整合性 |
| 調査目的 | サボりと決めつけず、在宅勤務の勤務実態を客観的に整理する |
| 対象地域 | 新宿区を含む東京都内 |
テレワーク中の社員の外出に違和感を持った背景
以下は、法人から寄せられる従業員調査の相談内容をもとに、企業や個人が特定されないよう一般化したケースです。
相談企業では、出社勤務とテレワークを組み合わせた勤務制度を導入していました。対象社員も週に数日在宅勤務を行い、それ以外の日は東京都内のオフィスへ出社していました。
当初は特に大きな問題はありませんでしたが、管理者が気になり始めたのは、対象社員がテレワークを行う日に限って連絡への反応が遅くなることでした。
午前中は通常どおり社内連絡に対応しているものの、昼前から午後にかけてチャットへの返信がなくなる日があります。電話にも出ず、数時間後に連絡が取れると「少し席を外していた」「昼休憩が長くなった」「用事があった」などと説明していました。
一度だけであれば特別な事情も考えられます。しかし同じ状況が複数回続き、オンライン会議への参加が直前に変更されることも増えていきました。
さらに、別の社員から「在宅勤務の日に対象社員を自宅から離れた場所で見かけた」という話が管理者へ伝わりました。
それでも会社側は、この目撃情報だけで勤務時間中の私用外出と判断することはしませんでした。業務上必要な外出だった可能性や、会社へ事前に申告した事情が別部署に伝わっている可能性もあったためです。
そこで過去の勤務予定と社内連絡履歴を整理したところ、対象社員がテレワークを行う特定の曜日に、似た時間帯で長時間連絡が取れなくなる傾向が見えてきました。
管理者としては、本人を問い詰めることで関係を悪化させることも避けたい一方、テレワーク中の勤務実態が分からない状態を放置すれば、他の社員との公平性や勤務管理にも影響します。
そのため、対象社員の私生活全般ではなく、会社が勤務時間として管理している時間帯に何度も発生する外出について、客観的に確認できる範囲を整理したいとして相談されました。

在宅勤務の勤務実態を確認する前に注意したいこと
「自宅から出た=仕事をしていない」と判断しないことが重要です。
テレワークの運用方法は企業ごとに異なります。勤務時間中の外出が認められている場合や、休憩時間を柔軟に取得できる制度、業務上の外出なども考えられます。まず就業規則、テレワーク規程、勤務予定、本人からの申告内容を確認してください。
企業による従業員調査では、会社として確認する必要性と調査範囲のバランスが重要になります。
在宅勤務の勤務実態を確認する目的だからといって、対象社員の休日、家族関係、交友関係など業務と直接関係のない私生活を無制限に調べるべきではありません。
また、会社が利用できる勤怠システムや業務端末の情報についても、企業が自由に何でも確認してよいという意味ではありません。社内規程、個人情報、プライバシー、労務管理などを踏まえ、必要に応じて弁護士や社会保険労務士へ確認してください。
探偵による行動確認についても、私有地への侵入、通信内容への不正アクセス、本人の私物端末へのアクセスなどを行うものではありません。
確認できるのは、適法な範囲で客観的に確認できる外出、移動、立ち寄り、滞在時間などです。
テレワーク社員で確認対象になりやすい6つの行動パターン
在宅勤務中の違和感は行動ごとに分けて整理します
テレワーク日に限って午前や午後の決まった時間に外出し、長時間戻らないケースです。繰り返しの有無を確認することで、一時的な事情か一定の行動パターンかを整理します。
社内チャット、電話、Web会議などに反応しない時間と外出時間が重なっているケースです。ただし、連絡不能だけを勤務放棄の証拠とはせず、他の情報と照合します。
外回りや取引先訪問の予定がない日に、自宅から離れた場所へ移動しているケースです。場所だけで目的を断定せず、移動時間や滞在状況を記録します。
勤務時間帯に店舗や施設などへ移動し、一定時間滞在しているケースです。施設への立ち寄りだけでは業務との関係を判断できない場合もあるため、確認できた事実として整理します。
特定の曜日に外出し、同じ人物と接触する行動が繰り返されるケースです。人物の関係性を推測で断定せず、勤務実態の確認に必要な範囲で行動を記録します。
「短時間の休憩だった」という説明に対して長時間の外出が確認されるなど、会社への説明と客観的な行動に差があるケースです。説明の真偽ではなく、確認できた時間と行動を比較します。
実際に行った調査・対応|テレワーク中の勤務時間に限定して行動を確認
今回のケースでは、対象社員の生活全般を確認するのではなく、会社側の資料から問題が繰り返されている可能性が高いテレワーク日を絞りました。
調査目的も「社員がサボっていることを証明する」ではなく、在宅勤務として報告されている時間帯の外出状況と、会社側が把握している勤務状況を照合することに限定しました。
- 1.会社側の勤務情報を整理
対象社員のテレワーク予定、出社日、外回り予定、Web会議、社内連絡が途切れた時間など、会社側が適法に保有している情報を整理しました。 - 2.問題が発生しやすい曜日と時間帯を抽出
連絡が取れなかった日を並べると一定の傾向が確認されたため、調査対象日を絞りました。これにより、必要以上に長期間の行動確認を行わない調査計画としました。 - 3.テレワーク開始後の状況を確認
対象社員の勤務時間帯について、公共の場所などから適法に確認できる範囲で行動を確認しました。住居内部の様子をのぞき込むような調査は行いません。 - 4.外出時刻と移動先を時系列で記録
自宅から外出した場合は、出発時刻、移動、立ち寄り先、滞在時間など、確認できた事実を記録しました。 - 5.会社側の業務予定と照合
確認された外出時間について、外回りや取引先訪問など会社側が把握している業務予定があったかを照合しました。調査員側では判断できない業務上の事情については断定しません。 - 6.複数日の行動パターンを比較
一日の外出だけで結論を出さず、必要な範囲で複数日の状況を確認しました。同じ曜日や時間帯に似た行動が繰り返されているかを整理します。 - 7.勤務報告と客観的な行動を分けて整理
会社側の記録と調査結果を比較し、「一致している部分」「不一致がある部分」「調査だけでは判断できない部分」を分けました。 - 8.時系列の報告書を作成
確認日時、外出、移動、滞在などを写真や時系列とともに報告書へ整理し、会社が本人へのヒアリングや今後の労務管理を検討できる資料として提出しました。
探偵が「仕事をしていた・していなかった」をすべて判断できるわけではありません。
外出先でスマートフォンやパソコンを使用していても、その内容が業務なのか私用なのか外から判断できない場合があります。確認できない部分を推測で補わず、客観的に確認できた行動だけを報告することが重要です。
調査結果・解決結果|繰り返す外出を確認し会社側のヒアリングへ
調査対象となったテレワーク日のうち、一部の日について、勤務時間中に対象社員が自宅から外出する状況が確認されました。
外出は数分程度ではなく、一定時間自宅を離れるものでした。また、別の調査日にも近い時間帯で外出する状況が確認されました。
一方、終日外出していたわけではなく、自宅に戻った後は外出しない時間帯もありました。そのため、「テレワーク中はまったく勤務していなかった」といった結論にはしていません。
会社側が把握している予定と照合すると、確認された外出時間帯には事前に登録された外回り予定はありませんでした。
ただし、外出先で行っていた行為のすべてを調査によって確認できるわけではありません。報告書では、外出時刻、移動、滞在時間、帰宅時刻など確認できた事実と、会社側で追加確認が必要な事項を明確に分けました。
会社は報告書をもとに対象社員へヒアリングを行いました。
その結果、会社へ事前に申告していなかった私用の外出が複数回あったことを本人が説明しました。
会社側は調査結果だけで直ちに重大な処分を決めるのではなく、本人の説明、勤務規程、これまでの勤務状況などを確認したうえで、テレワーク時の報告方法や外出ルールを改めて整理することになりました。
このケースで重要だったのは、会社が抱いていた「在宅勤務中に仕事をしていないのではないか」という疑いを、そのまま結論にしなかったことです。
テレワーク中の社員の勤務実態を確認する場合は、確認できた行動と会社側で判断すべき勤務上の問題を分ける必要があります。
従業員の素行確認など法人向け調査について
ファミリー調査事務所 新宿支店では、法人向け調査として社内不正、従業員関連の確認、従業員の素行確認など、企業判断に必要な情報整理に対応しています。
テレワーク中の勤務実態だけでなく、どの調査に該当するのか分からない場合も、企業側が現在把握している情報と確認目的から必要な範囲を整理します。
テレワーク中の勤務実態が見えず判断に迷っている企業様へ
在宅勤務中に何度も連絡が取れない、予定のない外出が疑われる、本人の説明と勤務状況に違和感がある場合でも、最初から勤務放棄と決めつける必要はありません。
まず会社側の勤務予定や連絡履歴を整理し、どの日時について客観的な確認が必要なのかを検討します。

テレワーク社員の勤務実態調査の料金について
テレワーク中の勤務実態調査に必要な費用は、調査する曜日、時間帯、日数、対象者の移動範囲、必要な調査員数などによって異なります。
たとえば、「毎週火曜日の午後に3時間ほど連絡が取れない」など問題が発生する日時を絞れているケースと、いつ外出しているか全く分からないケースでは必要な調査時間が変わります。
会社側に勤務予定、社内連絡履歴、Web会議の予定などが残っている場合は、事前に整理することで調査対象日時を絞れる可能性があります。
調査が必要と判断された場合は、確認したい内容と調査範囲を整理し、調査開始前にお見積りをご案内します。
| 調査・対応内容 | 料金 |
|---|---|
| 勤務予定・連絡状況など事前情報の整理 | 案件内容によりお見積り |
| テレワーク勤務時間中の行動確認 | 案件内容によりお見積り |
| 外出時の移動・立ち寄り状況の確認 | 案件内容によりお見積り |
| 複数日の行動パターン確認 | 案件内容によりお見積り |
| 会社側の勤務予定との照合・情報整理 | 案件内容によりお見積り |
| 写真・時系列を含む調査報告書作成 | 案件内容によりお見積り |
すでに会社側の記録や本人への確認だけで解決できる場合は、必ずしも行動調査が必要とは限りません。調査ありきではなく、会社として何を確認する必要があるのかを明確にしてから進めることが大切です。
担当調査員からのコメント
テレワーク社員の在宅勤務・勤務実態調査に関するFAQ
A. 企業として正当な確認目的があり、適法な範囲であれば調査を検討できます。まず会社のテレワーク規程や勤務予定、外出が疑われる日時を整理して確認範囲を設定します。
A. 外出したという事実だけでは判断できません。休憩、業務上の移動、会社が認めている外出などの可能性があります。勤務上の問題に該当するかは、就業規則や本人の説明などを含めて会社側で判断する必要があります。
A. 調査条件が整えば、適法な範囲で確認できる外出時刻、移動、帰宅時刻などを記録できる場合があります。住居内部をのぞくなどプライバシーを侵害する方法は行いません。
A. 公共の場所などから客観的に確認できる行動は記録できますが、外から確認できない行為や会話内容まで推測して報告することはありません。
A. 行動確認の結果として特定の場所への継続的な移動などが確認される場合はありますが、それだけで副業と断定できるとは限りません。副業の有無を確認したい場合は、具体的な疑義や会社規程との関係を整理する必要があります。
A. 対象社員へ直接接触せず、適法な範囲で行動確認を行う方法があります。ただし、対象地域や移動方法などによって調査条件は異なります。
A. 相談は可能です。会社が適法に保有している勤務予定、対象者情報、勤務時間、問題が疑われる曜日などを整理し、調査可能性を確認します。
A. 問題が起きる曜日や時間帯が絞れているかによって異なります。一日の確認だけでは偶発的な外出との区別が難しいケースもあるため、必要に応じて複数日を検討します。
A. 調査日数、時間、移動範囲、必要な人員などによって異なるため、案件内容によりお見積りとなります。会社側の情報を確認し、必要な範囲を決めてから調査開始前に費用をご案内します。
A. 法人からお預かりする相談内容や資料は秘密保持に配慮して取り扱います。社内でも調査情報を共有する担当者を必要な範囲に限定するなど、情報管理を整理しておくことが重要です。
A. 調査会社が懲戒処分の可否を判断することはできません。行為の内容、頻度、会社のテレワーク規程、就業規則、本人の説明などによって判断が異なります。処分を検討する場合は弁護士や社会保険労務士などへ相談してください。
A. あります。勤怠管理方法の見直し、外出ルールの明確化、本人へのヒアリングなどで状況を整理できる場合は、行動調査を行わなくてもよい可能性があります。まず確認目的と現在ある資料を整理することをおすすめします。
テレワーク中の社員を疑う前に勤務実態を整理したい企業様へ
「在宅勤務の日だけ長時間連絡が取れない」「勤務時間中に何度も外出しているようだ」と感じても、その時点では確認できていないことが多くあります。
会社側に残っている勤務予定や連絡履歴から確認すべき日時を整理し、必要な場合は勤務時間中の客観的な行動確認を検討できます。調査が必要か分からない段階でも、現在把握している情報から確認範囲を整理します。




新宿支店
テレワークでは、オフィス勤務と比べて管理者から社員の行動が見えにくくなります。そのため、返信が遅い、外出しているという情報があるだけで「仕事をしていないのでは」と疑いが大きくなりやすい面があります。
しかし、調査を始める前に重要なのは、疑いではなく会社側で確認できる情報を整理することです。どの勤務日に、何時から何時まで連絡が取れなかったのか、業務予定はどうなっていたのか、本人はどのように説明しているのかを整理すると、確認すべきポイントが明確になります。
従業員調査では必要以上に私生活へ踏み込まず、企業判断に必要な範囲を設定することが大切です。確認できた事実と推測を分け、調査後に会社が冷静に判断できる資料を残すことを重視しています。