
従業員の行動調査では、勤務時間中の移動先、取引先への訪問状況、滞在時間、外部関係者との接触など、客観的に確認できる行動を調べることができます。ただし、訪問先で実際に商談した内容や、従業員の内心、不正行為の有無まで、行動だけで断定できるわけではありません。
「営業日報には取引先を訪問したと書いてあるが、本当に行ったのか分からない」「外回り中の所在が長時間不明になる」「取引先への訪問時間と経費精算の内容が一致しない」。こうした疑問を抱える企業担当者もいるでしょう。
しかし、営業成績が低いことや外出時間が長いことだけで、従業員が勤務を怠っているとは判断できません。予定変更、取引先の都合、交通事情、会社側の管理体制など、複数の原因が考えられます。
大切なのは、疑わしい従業員を探すことではなく、会社が保有する勤務記録と実際に確認できる行動の一致点・相違点を整理することです。
この記事では、ファミリー調査事務所 新宿支店が、従業員の行動調査で確認できることと確認できないこと、勤務申告の照合方法、調査報告書の作成、費用、労務上の注意点について解説します。
この記事の内容
従業員の勤務申告にこのような疑問はありませんか?
- 営業日報に記載された訪問先と移動状況が一致していない
- 外回り中に長時間連絡が取れないことがある
- 取引先への訪問時間が毎回不自然に長い
- 予定していた訪問先へ実際に行っているのか確認したい
- 社用車の利用記録と営業日報に食い違いがある
- 直行直帰の申告内容について確認が必要になった
- 特定の取引先との接触が通常より多い
- 経費精算と実際の移動先が一致していない可能性がある
- 従業員への注意指導前に客観的な記録を整理したい
- 会社としてどこまで調査できるのか判断したい
従業員の行動調査|勤務申告・外出先・取引先訪問の相談概要
従業員の行動調査は、勤務申告の正確性を確認するための事実調査です。営業成績や勤務態度を評価する人事判断そのものとは区別して実施します。
| 主な相談者 | 企業経営者、人事担当者、総務担当者、内部監査担当者、法務担当者 |
|---|---|
| 対象となる行動 | 営業活動、外回り、取引先訪問、直行直帰、業務上の移動 |
| 主な確認目的 | 勤務申告と実際の移動・滞在・訪問状況の整合性確認 |
| 会社側の資料 | 営業日報、勤怠記録、訪問予定表、経費精算、社用車の適法に取得された運行記録 |
| 外部調査で確認できること | 移動先、立ち寄り先、施設への出入り、滞在時間、外部で確認可能な接触状況 |
| 確認できないこと | 商談の内部内容、本人の内心、非公開の社内情報、違反行為の法的評価 |
| 主な対象地域 | 新宿区、西新宿、新宿三丁目、東京都内および関係する営業地域 |
| 調査後の対応 | 事実整理、社内面談、業務管理の見直し、必要に応じた弁護士・社会保険労務士への相談 |
従業員の勤務申告と実際の行動が一致しない背景
従業員の行動調査を検討する企業では、営業日報、勤怠記録、訪問予定など、複数の資料に食い違いが見つかることがあります。
たとえば、午前10時に取引先へ訪問したと記載されているにもかかわらず、同じ時間帯の別の業務記録には異なる場所が記されている場合です。
ただし、これだけで虚偽報告とは判断できません。入力時刻の誤り、訪問予定の変更、報告書の記載漏れなども考えられます。
また、取引先への訪問時間が長くても、商談が延長した、担当者を待っていた、別部署との打ち合わせが追加されたなど、業務上の事情が存在する可能性があります。
会社が最初に行いたいのは、従業員を疑うことではなく、既存の業務記録を整理し、どの部分に説明できない相違があるのかを特定することです。
新宿駅周辺や西新宿にはオフィスビルが集中し、複数の取引先を短時間で訪問する営業活動も考えられます。施設への出入りが確認できても、建物内のどの企業を訪問したのかまで分からない場合があります。
従業員の行動調査は、勤務申告に疑問があるという理由だけで実施するのではなく、社内資料では確認できない具体的な事実がある場合に検討することが重要です。

従業員の行動調査には、正当な目的と必要性、適法な調査方法が求められます。会社は従業員の私生活を無制限に調査できるわけではありません。
私物のスマートフォンへの無断アクセス、私有車への無断GPS設置、私的な通信の不正取得、私有地への無断侵入などは避けてください。社用端末や社用車の情報を利用する場合も、利用目的、社内規程、本人への周知状況、個人情報保護などの確認が必要です。
調査結果だけで直ちに懲戒処分を決定せず、就業規則、事実関係、本人への確認機会、処分の相当性などを踏まえ、必要に応じて弁護士や社会保険労務士へ相談してください。
従業員の行動調査で確認する6つのパターン
勤務申告の食い違いには複数の種類があります。行動調査では、何を確認するのかを明確にし、問題ごとに必要な記録を整理します。
勤務申告と実際の行動を比較する6つの確認項目
営業日報に記載された訪問先へ実際に移動したかを確認します。建物への出入りが分かっても、商談の実施や内容まで証明できるとは限りません。
勤務時間中の移動先や立ち寄り先を確認します。予定外の場所へ立ち寄っていても、業務上の必要性があった可能性を排除できません。
施設への入退場時刻や外部から確認できる滞在状況を整理します。滞在時間の長短だけで業務の実施状況を評価することはできません。
申告された出発先や訪問先との整合性を確認します。勤務開始・終了の法的な扱いは、会社の勤務制度や業務指示によって異なります。
特定の関係先への訪問が繰り返されているかを確認します。接触があったことだけで癒着、利益相反、情報漏えいなどを断定することはできません。
訪問日、移動先、交通費、宿泊費などの既存記録を照合します。経費の不正使用を判断するには、社内規程や支出の根拠資料も必要です。
従業員の行動調査で実際に行う確認・対応の流れ
従業員の行動調査では、社内記録の整理から始め、外部で確認する必要がある事実を限定します。調査を実施する前に、社内監査や本人への通常の業務確認で解決できるかも検討します。
以下は一般的な法人向け行動調査の進め方であり、特定企業について実施した調査実績を示すものではありません。
- 1.調査目的と依頼権限の確認
会社として何を確認する必要があるのか、調査を依頼する担当者に適切な権限があるかを確認します。 - 2.営業日報・勤怠記録の整理
訪問予定、実績報告、勤務時間、経費精算など、会社が適法に保有している資料を整理します。 - 3.食い違いがある日時を特定
どの日のどの時間帯に不一致があるのかを確認し、調査対象を必要な範囲に限定します。 - 4.調査方法と法的リスクを検討
就業規則、個人情報保護、従業員のプライバシーなどを踏まえ、適法な調査方法を検討します。 - 5.外部から確認できる行動を記録
必要性が認められる場合に、移動、立ち寄り、施設への出入り、滞在などを適法な範囲で確認します。 - 6.確認できなかった行動も記録
建物内部や移動途中など、確認ができなかった区間は未確認として記録し、推測で補いません。 - 7.勤務申告と行動記録を照合
会社側の資料と調査結果を時系列で比較し、一致した内容、異なる内容、判断できない内容に分類します。 - 8.調査報告書を作成
日時、場所、確認した行動、必要な写真記録、確認不能事項などを整理します。観察事実と調査員の考察は区別します。 - 9.社内対応と専門家相談を検討
必要に応じて本人への事情確認、業務管理の見直し、弁護士や社会保険労務士への相談を検討します。
従業員の行動調査結果は「一致・相違・確認不能」で整理する
従業員の行動調査では、勤務申告と実際の行動に相違があったとしても、それだけで不正行為や職務怠慢を断定することはできません。
たとえば、営業日報に記載された取引先へ予定どおり移動していた場合、その日時については申告と一致する行動が確認されたと整理できます。
一方、訪問予定の時間帯に別の施設へ出入りしていたことが確認された場合は、申告との相違として記録します。
ただし、取引先の担当者が別の施設で商談を行っていた可能性や、予定変更の連絡が記録されていなかった可能性もあります。
また、建物への出入りは確認できても、施設内部の商談状況までは確認できない場合があります。このような事項は「確認不能」として区別する必要があります。
調査報告書では、実際に確認した行動、会社側が提供した記録、推測に当たる事項を明確に分けることが重要です。
企業側は、調査結果を受けて直ちに懲戒処分を検討するのではなく、本人への事情確認、記録の再点検、業務指示や管理方法の問題なども確認する必要があります。
調査の結果、従業員に問題がなかった場合でも、営業日報の記載方法や訪問予定の変更連絡など、会社側の管理体制を見直す材料になることがあります。
調査の目的は、従業員を処分する理由を探すことではなく、企業が事実に基づいて適切に判断するための材料を整えることです。
法人向け素行調査・従業員調査の関連ページ
従業員の勤務実態、外回り中の行動、取引先との接触など、法人向け素行調査のサービス内容については、次のページをご確認ください。
このページは、勤務申告と行動記録の照合方法に焦点を当てた解説記事です。従業員調査のサービス全体については、法人向け「素行調査」のページをご覧ください。
勤務申告と実際の行動に違いを感じている企業担当者様へ
営業日報、訪問予定、勤怠記録、経費精算などの情報を整理し、外部調査が必要な部分を確認します。
ファミリー調査事務所 新宿支店では、調査目的の正当性と必要性を確認し、企業側が判断するための事実整理をお手伝いします。
社内資料の確認や通常の業務面談で対応できる場合には、無理に調査をおすすめすることはありません。

従業員の行動調査にかかる料金と見積り
従業員の行動調査の費用は、調査時間、日数、対象地域、移動手段、必要な調査員数、報告書の内容などによって異なります。
特定の取引先訪問を確認する場合と、複数日の営業活動を比較する場合では、必要な調査体制が変わります。
会社がすでに保有している営業日報や勤怠記録を整理することで、確認する日時を絞れる場合もあります。
調査開始前に、確認目的、調査範囲、必要な時間、費用についてお見積りをご案内します。
| 調査・対応内容 | 料金 |
|---|---|
| 勤務申告・営業日報の情報整理 | 案件内容によりお見積り |
| 特定日時の従業員行動確認 | 案件内容によりお見積り |
| 外回り中の移動先・立ち寄り先確認 | 案件内容によりお見積り |
| 取引先訪問状況の確認 | 案件内容によりお見積り |
| 直行直帰の行動確認 | 案件内容によりお見積り |
| 複数日の勤務行動比較 | 案件内容によりお見積り |
| 調査報告書・時系列記録の作成 | 案件内容によりお見積り |
調査日数を増やせば必ず不正が判明するわけではありません。必要な確認範囲を限定し、調査で分かることと分からないことを理解したうえで実施を判断することが重要です。
担当調査員からのコメント
従業員の行動調査に関するよくある質問
A. 調査した日時における移動先、立ち寄り先、施設への出入り、滞在時間、外部で確認可能な人物との接触などを確認できる場合があります。
A. 指定日時に対象の施設へ出入りしたかなどを確認できる場合があります。ただし、建物内部で実際に商談したかどうかまでは判断できないことがあります。
A. 外部から確認できる行動と勤務申告を照合できます。ただし、特定の場所へ立ち寄ったことだけで職務怠慢と断定することはできません。
A. 会社による調査でも、目的の正当性、必要性、方法の適法性、プライバシーへの配慮が必要です。具体的な実施方法については社内規程や法的条件を確認してください。
A. 正当な調査目的があり、必要な範囲であれば検討できます。ただし、勤務時間の扱いや業務指示の内容も確認する必要があります。
A. 外部から確認できる訪問や接触状況を調べられる場合があります。ただし、接触した事実だけで癒着や利益相反があるとは判断できません。
A. 相談できます。会社が適法に保有する資料から不一致の日時や内容を整理し、外部調査が必要か検討します。
A. 氏名、勤務予定、訪問先、勤務時間帯など、会社が把握している情報から検討できます。ただし、情報不足によって調査が難しい場合もあります。
A. 特定日の訪問確認なのか、複数日の勤務行動を比較するのかによって異なります。調査目的と既存資料を確認して期間を検討します。
A. 調査時間、日数、地域、必要人員などによって異なるため、案件内容によりお見積りします。調査開始前に料金をご案内します。
A. ご相談内容やお預かりした企業情報は慎重に取り扱います。ただし、調査の発覚防止を絶対に保証することはできません。情報管理の具体的な方法は契約前にご確認ください。
A. 調査報告書が事実確認の資料となる場合はありますが、懲戒処分の有効性は就業規則、行為の内容、処分の相当性などによって判断されます。処分を検討する場合は弁護士等への相談をおすすめします。
従業員の勤務申告と実際の行動を、客観的に確認したい企業様へ
営業日報と訪問実態の違い、外回り中の所在、取引先への訪問状況など、会社が確認したい事実を整理します。
ファミリー調査事務所 新宿支店では、企業の調査目的と必要性を確認し、適法な範囲で実施できる行動調査をご案内します。
調査の必要がない場合は、社内記録の整理や専門家への相談を優先することもできます。まずは現在の状況をお聞かせください。




新宿支店
従業員の行動調査では、営業成績が悪い、外出時間が長いといった印象だけで調査の結論を決めないことが重要です。
たとえば、営業日報に記載された訪問先と実際の移動先が違っていた場合でも、予定変更や業務上の事情が存在する可能性があります。
調査報告書では、確認できた日時、移動先、滞在状況、接触状況を整理し、確認できなかった部分についても明確に記録することを大切にしています。
また、従業員の行動調査は企業の管理権限があるからといって、無制限に実施できるものではありません。正当な目的と必要性を確認し、調査範囲を限定する必要があります。
調査結果は、従業員を処分するためだけのものではなく、会社側の勤務管理や営業報告の仕組みを見直す材料になることもあります。
まずは社内で確認できる資料を整理し、それでも判断できない部分について、必要な調査を検討することをおすすめします。