新宿支店 職場トラブル・事実確認

夜のオフィスで一つだけ灯りのついた席
一件ずつは通常の依頼です。だから「量が多い」では伝わりません。

同じ職位なのに、なぜか自分にだけ仕事が集まる。しかも、期限が短い。引き継ぎがない。終業間際に来る。断ろうとすると「これができるのは君だけだから」と言われる。

誰かに話すと、「忙しい部署なんだね」で終わります。実際、一件ずつ取り出せば、どれも通常の業務依頼です。だから説明できず、そのうち自分の処理能力の問題だと思い始めます。

この記事では、「忙しいだけ」と「そうでないもの」を分ける線を引きます。分け方は二つあります。一つは配分の偏りを数えること。もう一つは、法律が定めている上限と照らすことです。

後者については、条文を確認したうえで数字を載せます。時間外労働には、月・年ともに具体的な上限が決まっています。そして、一定の時間を超えた場合、会社の側には本人に通知する義務があり、本人からの申出で医師の面接指導を受けられます。この二つは、あまり知られていません。

当社は探偵社です。社内の労務問題を代わりに解決することはできません。担えるのは、社外に関わる部分の確認だけです。その線引きも最後に書いています。

このような状況ではありませんか?

  • 同じ職位の人と比べて、明らかに担当件数が多い
  • 期限が短い案件ばかり回ってくる
  • 終業間際や休み前に、まとめて依頼が来る
  • 断ると、人格を持ち上げる言い方で押し切られる
  • 残業時間が自分でも把握できていない
  • 眠れない、食べられない、休日も回復しない
  • 相談したいが、「みんな忙しい」と言われそうで言えない

「量が多い」では、まず通りません

上司に言っても、人事に言っても、「量が多い」という訴え方では動きません。理由は二つあります。

  • 受け取る側には、比べる材料がありません。「多い」と言われても、何と比べて多いのかが分かりません
  • 業務量の配分は、原則として会社の裁量です。だから「多い」だけでは違法にも不当にもなりません

ですから、示し方を変えます。「多い」ではなく「偏っている」。「つらい」ではなく「何時間」。この二つに置き換えるだけで、同じ状況がまったく別のものとして伝わります。

もう一つ、判断が難しいのが「自分の能力の問題ではないか」という迷いです。これはご相談でほぼ必ず出てきます。切り分けは簡単で、件数と時間を同じ職位の人と並べるだけです。並べて差がなければ、進め方の相談に切り替えればよい。差があるなら、能力の話ではありません。迷っている時間がいちばんもったいないので、先に数えてください。

配分を数える|四つの欄だけで足ります

方眼のノートに引かれた表とペン
難しい記録は要りません。欄は四つで足ります。

ノートでも表計算でも構いません。次の四つだけを、その日のうちに書いてください。

欄書くことなぜ必要か
依頼された日時日付と、できれば時刻終業間際に集中していることが分かる例が非常に多いです。時刻を入れるだけで見え方が変わります
依頼者誰から来たか一人からなのか、全員からなのか。一人に偏っていれば、問題は業務量ではありません
内容と期限何を、いつまでに期限の短さが偏っていないかを見ます
かかった時間おおよそで構いません合計が、そのまま残業時間の裏づけになります

これを一か月続けると、三つのことが同時に分かります。①実際の総時間 ②依頼が集中している時間帯 ③依頼元の偏り。この三つは、どの窓口へ持っていっても通じる形です。

あわせて、同じ職位の人の担当件数も分かる範囲で書いてください。人事資料は要りません。社内の共有フォルダや、会議で配られる案件一覧で足ります。

上限は、数字で決まっています

ここが、多くの方がご存じない部分です。時間外労働の上限は、条文で具体的に決まっています。以下は労働基準法第36条を確認して整理したものです。

区分上限条文
原則の限度時間1か月45時間/1年360時間第36条第4項
臨時的な特別の事情がある場合(特別条項)1か月100時間未満/1年720時間以内第36条第5項
月45時間を超えられる回数1年について6か月以内第36条第5項
実際に働かせてよい時間(休日労働を含む)1か月100時間未満第36条第6項第2号
同上(複数月の平均)2〜6か月のいずれの平均も80時間を超えないこと第36条第6項第3号

注目していただきたいのは、第6項が「協定があっても、これを超えてはならない」という形で書かれていることです。会社と労働者代表の間で協定(いわゆる36協定)が結ばれていても、100時間未満・複数月平均80時間以内という線は動きません。

まず自分の時間を把握してください。給与明細の時間外労働時間、勤怠システムの記録、そして上の配分台帳の合計。三つを突き合わせると、記録と実態がずれていることがあります。ずれている場合、それ自体が相談の材料になります。
なお、月45時間を超える月が年7回以上ある場合は、上の表の三行目に照らして確認が必要な状態です。

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体に出ているとき|自分から申し出てできること

ここは、知っているかどうかで結果が変わる部分です。

労働安全衛生法第66条の8は、厚生労働省令で定める要件に該当する労働者に対し、事業者は医師による面接指導を行わなければならないと定めています。その要件は労働安全衛生規則第52条の2で、次のように定められています。

「休憩時間を除き一週間当たり四十時間を超えて労働させた場合におけるその超えた時間が一月当たり八十時間を超え、かつ、疲労の蓄積が認められる者」(労働安全衛生規則第52条の2第1項)

そのうえで、同規則には次の二つが定められています。どちらも、ご自身の側から動ける根拠になります。

80時間を超えたときに、制度上そうなっていること

  • 1
    会社には、本人に知らせる義務があります
    事業者は、超えた時間の算定を行ったときは、速やかに、1か月あたり80時間を超えた労働者に対し、その超えた時間に関する情報を通知しなければならない(同規則第52条の2第3項)
    通知が来ていない場合、確認できます
  • 2
    面接指導は、本人の申出で始まります
    面接指導は要件に該当する労働者の申出により行うものとされ、申出があったときは事業者は遅滞なく面接指導を行わなければならない(同規則第52条の3第1項・第3項)
    上司の許可は要件になっていません
  • 3
    面接の結果は、措置につながります
    事業者は医師の意見を聴き、必要があると認めるときは就業場所の変更、作業の転換、労働時間の短縮、深夜業の回数の減少等の措置を講じなければならない(労働安全衛生法第66条の8第5項)
    量を減らす根拠になり得ます

つまり、体に出ている段階まで来ているなら、「量を減らしてほしい」と頼む前に、この制度に乗るという道があります。頼み事ではなく、法令上の手続きだからです。

眠れない、食べられない、休日に回復しない。この段階なら、我慢の問題ではありません。産業医がいる職場なら産業医へ、いない場合は各都道府県労働局と各労働基準監督署内にある総合労働相談コーナー(予約不要・無料)へご相談ください。

相談無料

「自分の能力の問題かもしれない」で止まっている方へ

数えてみれば、能力の話かどうかはすぐ分かります。何をどう記録すればいいかを一緒に整理します。

新宿支店では、調査にならないご相談もお受けしています。

職場での業務量の偏りについて相談を受ける新宿支店の相談員

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断れない構造を、どう外すか

ご相談でよくうかがうのが、「断れない言い方をされる」というものです。断れないのは意志の弱さではなく、断りにくい形で渡されているからです。

渡され方を、記録できる形に変える

  1. 「これができるのは君だけだから」と言われる

    そのまま受ける評価の材料にはなりません。属人化が進み、さらに断れなくなります
    変える「今の担当と、どちらを優先しますか」と聞き返します。優先順位を相手に決めさせると、判断の記録が残ります
  2. 口頭で、終業間際に渡される

    そのまま受ける依頼された時刻の記録が残りません。あとで「そんなに急いでいない」と言われます
    変える「認識合わせのため、要点だけメールで送ります」と返します。自分から送るので角が立たず、時刻が残ります
  3. 期限が示されない

    そのまま受ける全部が「急ぎ」になり、こちらの裁量がなくなります
    変える「いつまでに必要ですか」と必ず聞きます。答えが曖昧なら、こちらから期限を提示して確認を取ります

三つとも、抵抗ではなく確認の形を取っているのが要点です。抵抗すると「協調性がない」という別の評価が立ちます。確認なら立ちません。そして確認の記録は、そのまま配分の証拠になります。

やらないほうがよいこと。
① 勤怠を実際より少なく申告すること。後から実態を示すのが極めて難しくなります。
② 会社の業務資料を持ち出すこと。就業規則違反や営業秘密の問題になり得ます。自分の作業記録と自分宛てのメールに限ってください。
③ 他の人の担当件数を、本人に聞いて回ること。公開されている資料の範囲で足ります。

当社が確かめられること、確かめられないこと

窓辺の机に置かれた無地の書類とペン
社内の労務は会社と労働局の領域です。当社が担うのは外側だけです。

この記事の内容は、ほとんどが会社と労働局と弁護士の領域です。当社が担える部分は限られています。正直に線を引きます。

この件で、当社が確かめられること

  • 確定できます
    社外での就業実態(現場・常駐先・移動を伴う業務の実際)。取引先や同業の場で、ご自身について何が出ているか
  • うかがわせる事実まで
    配分の偏りが、社外の事情(特定の取引先、特定の担当者)に由来していないか。断定はせず、確認できた事実をそのままご報告します
  • 取得できません
    勤怠記録、人事資料、社内のメール・チャット。他の社員の労働時間。他人の端末の中身
  • お受けしません
    社内調査の代行。労働時間が違法かどうかの判定。勤務先や上司への働きかけ。ご本人や関係者の出身地・本籍・家柄を調べること

四段目の最後は、法律の定めでもあります。探偵業の業務の適正化に関する法律第8条第2項は、調査結果が違法な差別的取扱いのために用いられることを知ったときは、業務を行ってはならないと定めています。

この記事を読んで、まず動いていただきたいのは総合労働相談コーナーです。当社にご相談いただくのは、社外に関わる部分が疑われる場合か、公的な窓口で「事実がないと動けない」と言われた場合です。会社側として社員の就業実態を確認したい場合は法人向け調査項目をご覧ください。誰がやっているか分からない嫌がらせそのものを確かめたい場合は嫌がらせ調査をご覧ください。

職場トラブルの事実確認を担当する新宿支店の調査員

担当相談員
新宿支店

正直に申し上げると、このご相談の大半は、当社の出番がありません。数えて、労働局に持っていけば進む話だからです。それでもこの記事を書いているのは、「探偵に相談するようなことなのか分からない」という状態で止まっている方が多いからです。

お電話をいただいたら、まず「何時間ですか」とうかがいます。答えられない方が半分以上です。そこで、四つの欄の話をしてお電話を切ることもあります。それで解決するなら、それがいちばんです。数えたうえで、社外に原因がありそうだと分かったときに、また連絡をいただければ十分です。

よくあるご質問

Q. 自分の能力が低いだけかもしれません。

A. 同じ職位の人と、件数と時間を並べてみてください。差がなければ進め方の相談に切り替えればよく、差があるなら能力の話ではありません。迷っている時間がいちばんもったいないので、先に数えてください。

Q. 残業時間の上限は、何時間ですか。

A. 原則は月45時間・年360時間です(労働基準法第36条第4項)。臨時的な特別の事情がある場合でも月100時間未満・年720時間以内、月45時間を超えられるのは年6回まで、そして2〜6か月の平均は80時間以内という線があります(同条第5項・第6項)。

Q. 36協定があれば、いくらでも働かせていいのですか。

A. いいえ。第36条第6項は、協定があっても1か月100時間未満、複数月平均80時間以内を超えてはならないと定めています。協定でも動かせない線です。

Q. 残業が80時間を超えました。何ができますか。

A. まず、会社には超えた時間を本人に通知する義務があります(労働安全衛生規則第52条の2第3項)。そのうえで、疲労の蓄積が認められる場合はご自身の申出により、医師の面接指導を受けられます(同規則第52条の3)。上司の許可は要件になっていません。

Q. 面接指導を受けると、何か変わりますか。

A. 事業者は医師の意見を聴き、必要があると認めるときは労働時間の短縮、作業の転換、就業場所の変更などの措置を講じなければならないとされています(労働安全衛生法第66条の8第5項)。量を減らす根拠になり得ます。

Q. 勤怠の記録と、実際の労働時間が違います。

A. そのずれ自体が相談の材料になります。自分の作業記録(メールの送信時刻、入退館の記録、自分で書いた日報)を残したうえで、総合労働相談コーナーにご相談ください。実際より少なく申告し続けると、後から示すのが難しくなります。

Q. 断ると評価が下がりそうで怖いです。

A. 断るのではなく優先順位を相手に決めさせる形にしてください。「今の担当と、どちらを優先しますか」。抵抗ではなく確認なので、協調性の問題にはなりません。

Q. 探偵に頼むようなことでしょうか。

A. 多くの場合、先に総合労働相談コーナー(無料)です。当社にご相談いただくのは、社外に原因がありそうな場合か、公的な窓口で「事実がないと動けない」と言われた場合です。ご相談だけでも構いません。

相談無料

数えたうえで、それでも説明がつかないとき

配分の偏りが社外の事情から来ていることがあります。そこは当社が確かめられる部分です。

まずは今の状況をそのままお聞かせください。匿名でのご相談も承っています。

社外の事情について相談を受ける新宿支店の相談員

担当相談員が状況をお聞きします

匿名でのご相談も可能です/新宿エリア対応

ファミリー調査事務所 新宿支店|東京都公安委員会 探偵業届出証明書 第30140007号
当社は探偵業の業務の適正化に関する法律に基づく届出を行い、同法の定めに従って業務を行っています。ご依頼の前に、重要事項をご説明し、書面を取り交わします。

※ 本記事に引用した条文は、e-Gov法令検索で2026年9月時点に施行されている労働基準法・労働安全衛生法・労働安全衛生規則により確認したものです。業種や働き方によって適用が異なる場合があり、個別の判断は労働局および弁護士の領域です。

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