隣人の嫌がらせ|調査事例
マンションの玄関前と駐輪場で、4か月にわたって嫌がらせが続いていた件です。管理会社に3回相談しても「犯人が分からないと注意できない」で止まっていました。深夜の張り込みで相手が分かり、管理組合からの注意で止まっています。
東京都新宿区・神楽坂エリア/30代男性/分譲マンション5階・入居3年・家族4人
この事例の要点
- 被害は4月から8月まで、月2〜3回。傘立て、自転車、ドアノブ、郵便受け
- 管理会社に3回相談 →「犯人が分からないと注意できない」
- 共用部のカメラはエントランスのみ。フロアは映らない
- 調査は深夜22時〜翌5時の張り込みを3日間(管理組合の承諾を得て実施)
- 2日目と3日目に同じフロアの住人を確認
- 費用は約255,000円(行動調査3日間・調査員2名・深夜帯)
- 管理組合から正式な注意 → 被害は止まった
ご相談に至るまでの経緯
最初は、気のせいで済ませられる程度のことでした。
4月、玄関前に置いていた傘立てが倒れていた。風かもしれない。ところがそれが月に2〜3回になりました。
起きたことの時系列
- 4月|玄関前
- 置いていた傘立てが倒されていた。月2〜3回。最初は風だと思っていた
- 5月|駐輪場
- 自転車のサドルにカッターの傷。ここで「誰かがやっている」に変わった
- 6月|玄関ドア
- ドアノブに粘着物。触って気づいた
- 7月|郵便受け
- チラシが抜かれ、床に撒かれていた
- 8月|玄関前
- 子どもの傘が折られていた。ここでご相談をいただきました
ご相談のきっかけは、はっきりしていました。子どもの物に及んだことです。
ご本人はこうおっしゃっていました。「自分のものなら、まだ我慢できたと思います。でも子どもの傘を見たときに、これは放っておけないと思いました」
この方は写真を7枚撮っておられました。傘立て、サドルの傷、ドアノブ、撒かれたチラシ、折れた傘。スマホで撮っただけのものですが、撮影日時のデータが残っているので、いつ起きたかが示せます。これがあるかないかで、話の進み方が変わります。
管理会社に3回相談して、止まったところ
ご相談の前に、この方は管理会社に3回連絡しておられます。メールのやり取りも残っていました。
返ってきた答えは、毎回ほぼ同じでした。
管理会社・管理組合・警察の反応
- 管理会社(3回)「犯人が分からないと、注意する相手がいません」。全戸向けの貼り紙は出してもらえたが、被害は止まらなかった
- 管理組合理事会で議題には挙がったが、誰に対して何をするかが決められない状態だった
- 警察(1回・相談のみ)「被害届を出すこともできるが、犯人が分からないと動きにくい」
- 共用部のカメラエントランスに1台のみ。各階のフロアと駐輪場は映っていなかった
ここで止まってしまう方が、非常に多いです。
管理会社が動かないのは、意地悪をしているわけではありません。「誰が」が分からない状態では、注意する相手がいないからです。全戸向けの貼り紙までが、管理会社にできることの限界でした。
逆にいえば、そこを埋めれば、同じ管理会社が動きます。実際にそうなりました。
ご依頼いただいた調査
被害の発見が、すべて「朝」に集中していました。出勤のために玄関を開けたとき、ゴミを出しに行ったとき。
ということは、行為は前の晩から明け方のあいだに行われています。そこから時間帯を決めました。
調査の内容
- 調査区分行動調査(張り込み)
- 日数・時間帯3日間/22時〜翌5時。被害の発見が朝に集中していたため、夜間に設定しました
- 調査員2名
- 範囲当該フロアの共用部、駐輪場
- 事前にやったこと管理組合の承諾を得てから実施しました。共用部は専有部分ではないので、ここを飛ばすことはできません
共用部での調査は、管理組合の承諾が先です。マンションの廊下や駐輪場は、住人全員の共有部分です。承諾なしに機材を置いたり、継続して立ち入ったりはできません。この件では承諾を取るまでに1週間かかりました。ご相談から調査開始まで時間がかかったのは、この手続きのためです。
実際にかかった調査費用
約255,000円でした。
金額の内訳と、その理由
- 該当する区分行動調査(3日間)。公表料金表では約100,000円〜300,000円
- この件の金額約255,000円。公表料金表の範囲内で、上の方になりました
- 上の方になった理由深夜帯(22時〜翌5時)の張り込みだからです。深夜・早朝は、同じ時間数でも日中より金額が上がります
- 含まれているもの調査員2名×3夜、記録用の機材、報告書の作成
金額は、着手の前にお見積りとしてお出ししています。公表している料金表の範囲を超える場合は、その理由とあわせて必ず事前にご説明します。黙って超えることはありません。
費用の決まり方そのものは「嫌がらせ調査の費用はいくらか|公表料金表と、金額を決める4つの要素」に書いています。
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1日目は、何も起きませんでした。
2日目の深夜1時すぎです。同じフロアの住人が自室を出て、ご依頼者の玄関前に立ち、傘立てに触れる様子を確認しました。
記録できたこと
- 日時2日目の深夜1時すぎ。3日目にも同様の行動を確認(計2回)
- 人物同じフロアの住人。1年前に、子どもの足音のことで申し入れをしてきた方と同一
- 行動自室を出て玄関前に立ち、傘立てに触れる。滞在時間と動きを時系列で記録
- 形日時・滞在時間・行動を時系列にまとめ、写真を添付した報告書として作成
1年前に足音のことで申し入れを受けていたので、ご本人のなかでは「あの人かもしれない」という思いはありました。ただ、思っているだけでは管理会社に言えません。言えば、こちらが疑いをかけた側になります。
その後|管理組合が動いた
報告書を、管理会社と管理組合の両方に提出しました。
- 1.管理会社へ報告書を提出
「犯人が分からないと注意できない」と言われていた相手に、日時と行動が入った記録を渡しました。ここで対応が変わりました。 - 2.管理組合の理事会で共有
共用部での出来事なので、管理組合の案件になります。承諾を取って調査をしていたため、理事会としても扱いやすい形になっていました。 - 3.管理組合から当該住人へ正式な注意
組合名義で、文書による注意が行われました。ご依頼者が直接相手に話をする場面は、一度もありません。 - 4.警察にも相談
自転車のサドルの傷と折られた傘は器物損壊にあたりうるため、報告書を持って相談しています。
注意の後、被害は止まりました。
ご本人が直接相手に接触していないのが、この件の良かったところです。同じ建物に住み続ける以上、当事者同士でやり合うと、そのあとの生活が苦しくなります。管理組合という第三者から言ってもらう形にできたのは、記録があったからです。
なぜ管理会社は「動けない」と言うのか
ご相談でいちばん多く聞くのが、「管理会社が何もしてくれない」という言葉です。
ただ、こちらが実際に見てきた限りでは、管理会社が動かないのではなく、動ける材料がないことがほとんどです。
管理会社にできること/できないこと
- できる全戸への注意喚起(貼り紙・掲示)。相手が分からなくてもできます
- できる共用部のカメラ映像の確認。ただし保存期間があります(1〜2週間のことが多い)
- できない特定の住人への注意。「誰が」が確定していないと、注意された側から「言いがかりだ」と返されます
- できない各戸の室内に立ち入ること、住人の行動を監視すること
つまり、「全戸への貼り紙」と「特定の住人への注意」のあいだに、大きな段差があります。その段差を越えるのに要るのが「誰が」です。
警察も同じです。被害の訴えだけでは動けないことが多く、「いつ・どこで・誰が・何をしたか」が揃うと扱いが変わります。どこに相談すべきかで迷っている段階でしたら「嫌がらせはどこに相談すればいいのか|警察・弁護士・管理会社・探偵の役割分担」をご覧ください。
同じ状況の方が、ご自身でできること
この方がやっておられて、結果的に効いたことが3つあります。調査を頼むかどうかに関係なく、今日からできます。
- 1.被害のたびに写真を撮る
この方は7枚撮っておられました。スマホで構いません。撮影日時のデータが残ります。片付ける前に1枚。これだけで「いつ起きたか」が示せます。 - 2.管理会社とのやり取りをメールで残す
電話だけだと、何回相談したかが残りません。この方はメールで3回残していたので、「相談したのに止まらなかった」経過が示せました。 - 3.発見した時刻を記録する
「朝、玄関を開けたら」が繰り返されていたから、調査の時間帯を夜間に決められました。発見が朝なのか夜なのかで、張り込む時間がまるごと変わります。
逆に、やらないほうがいいこともあります。ご自身で廊下にカメラを向けること、相手だと思っている住人に直接確かめにいくこと、SNSに書くこと。共用部に私物のカメラを設置するのは、管理規約で禁じられていることがあります。そして直接当たると、こちらが先に動いた側になります。
証拠の集め方そのものは「近所の嫌がらせで有効な証拠とは?安全な集め方と記録方法」に詳しく書いています。管理会社や警察が動いてくれない段階でしたら「管理会社や警察が動かない近隣トラブル|嫌がらせの証拠と相談の方法」が近いと思います。
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「近隣トラブルの調査って、いくらかかるんですか」とよく聞かれます。金額を決めているのは、だいたい4つです。
金額を決める4つ
- ① 日数この件は3日間。1日で出ることもありますが、「偶然ではない」と示すには複数回の記録が要ります
- ② 時間帯ここがいちばん効きます。この件は22時〜翌5時。深夜・早朝は日中より上がります
- ③ 調査員の人数2名。共用部と駐輪場の2か所を同時に見る必要があったためです
- ④ 報告書の形管理組合と警察の両方に出す前提で作成しました。どこに出すかで作り方が変わります
ご相談のときに、この4つを伺えば電話口でおおよその金額をお伝えできます。現地を見ないと出せない、ということはありません。
ご自身のケースだと、いくらになりそうか
被害の内容、発見している時間帯、建物の形。この3つを伺えば、その場でおおよその金額と、何日くらい必要かをお伝えします。
ご自身で記録を取ったほうが早いと判断した場合も、そうお伝えします。

匿名でのご相談も可能です/新宿エリア対応
よくあるご質問
A. いいえ。この件は2日目と3日目に撮れましたが、3日間で出ないこともあります。実際、同じ新宿区の戸建てで3日間張って何も確認できなかった件もあります(その件は別の形で止まりました)。「必ず撮れます」と言う業者には、根拠を聞いてください。
A. 共用部で行う場合は、承諾を取ってから実施します。マンションの廊下や駐輪場は住人全員の共有部分だからです。この件では承諾まで1週間かかりました。ただし、ご自宅の専有部分の中や、建物の外からの範囲であれば、承諾なしに進められることもあります。状況を伺って判断します。
A. 気づかれないように行います。この件でも、相手は調査されていたことを知りません。注意は管理組合から行われたため、ご依頼者が前に出る場面はありませんでした。同じ建物に住み続ける以上、ここはいちばん気を使う部分です。
A. 共用部で行う場合は、管理組合の承諾が要ります。ただし「どの住人を疑っているか」まで伝える必要はありません。この件でも、承諾を取る段階では相手の名前は出していません。
A. いいえ。今日から撮りはじめてください。それと、思い出せる範囲で過去の分を書き出してください。「書いた日」が分かれば、それも材料になります。この件の方も、最初の2回は撮っていませんでした。
A. お見積りにご納得いただいてから契約し、着手します。契約書と重要事項説明書をお渡しします。その場で決めていただく必要はありません。持ち帰って検討される方が多いです。
A. 対応します。新宿区を中心に、東京23区と近県まで伺っています。移動距離が長くなるとその分の費用がかかりますので、ご相談のときにおおよそをお伝えします。
最後に
この件は、4月から8月まで続いていました。5か月です。
そのあいだ、ご本人は管理会社に3回相談し、そのたびに「犯人が分からないと」と言われています。何もしていなかったわけではありません。できることはやったうえで、止まっていました。
必要だったのは、我慢でも、相手への直談判でもなく、「誰が」の一点でした。そこが埋まった瞬間に、同じ管理会社が動いています。
いま同じところで止まっている方がいらしたら、何が足りないのかを一度整理するだけでも違います。それはご相談の電話口でもできます。
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匿名でのご相談も可能です。その場での契約はお願いしていません。
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相談員より
この件で大事だったのは、「2回」撮れたことです。1回だけだと「たまたま通りかかって、ぶつかっただけ」という説明が成り立ってしまいます。2日目と3日目に同じ行動が記録できたので、偶然では説明がつかなくなりました。3日間お取りいただいたのは、そのためです。