「不正アクセスの犯人は特定できるのか」と調べると、出てくるのは法人向けの記事ばかりです。フォレンジック調査会社に出して、弁護士に開示請求を頼んで、警察に被害届を出す。その流れは間違っていません。ただ、個人のご相談でいちばん多いのは「心当たりのある人がいる」という形です。元交際相手、同居している家族、職場の人。この場合は、順番が変わります。
ファミリー調査事務所 新宿支店では、お預かりしたスマートフォンやパソコンを当社の調査員が解析し、不正アクセスの発信元を特定します。そのうえで、行動調査で分かったことと突き合わせて、人を絞り込みます。この記事では、どこまで分かって、どこから先は分からないのかを書きます。
結論から|特定できる場合と、できない場合があります
特定できる可能性が高い
- 心当たりのある人がいる(元交際相手・家族・職場の人・近い知人)
- 相手が、自分の端末に物理的に触れられる状況にあった
- 不審な動きが始まった時期が、だいたい分かっている
- 端末が手元にある(初期化していない)
特定が難しい
- まったく心当たりがない(無作為に狙われた可能性が高い)
- 海外から組織的に行われている
- すでに端末を初期化してしまった
- 何年も前の話で、記録が残っていない
下の4つに当てはまる場合、正直に申し上げると難しいです。その場合は調査をお勧めしません。読んだ結果「依頼しない」というご判断になっても構いません。
なぜ「探偵では無理」と思われているのか
検索して出てくる記事が、ほぼ全部そう書いているからです。実際に調べてみると、上位に並ぶのは法律事務所とフォレンジック調査会社で、相談先として挙がるのは次の3つだけです。
- フォレンジック調査会社(証拠保全と原因究明)
- サイバー犯罪に詳しい弁護士(法的措置と交渉)
- 警察のサイバー犯罪相談窓口(刑事事件としての捜査)
探偵は入っていません。ここに書かれていないのは、「端末に何が入っていたか」と「その人が実際に何をしていたか」を同時に見られるのは探偵だけという部分です。
フォレンジック調査会社は端末を解析します。けれど、その人が火曜の夜にどこにいたかは調べません。弁護士は開示請求をします。けれど、請求できるのはログが残っている相手だけです。身近な人が端末に直接触れて何かを入れた場合、通信記録には何も残りません。残るのは端末の中と、その人の行動です。
どうやって入られたのか|よくある入り口5つ
「ハッキング」と聞くと高度な技術を想像しますが、個人のご相談で実際に多いのは次の5つです。どれも技術より、物理的な距離と心理的な距離の近さが原因になっています。
1. 端末に直接触られた
いちばん多い形です。同居している、部屋に来たことがある、短時間でも端末を預けたことがある。ロックを解除できる状態が一度あれば足ります。
2. パスワードを使い回していた
どこか別のサービスから流出したものが、そのまま使われている形です。この場合、相手は身近な人ではないことが多くなります。
3. 本人が入れたことを忘れている
以前に家族で共有する目的で入れた位置情報の共有が、そのまま残っている。別れた相手と共有したままになっている。これも実際には相当あります。
4. クラウドのアカウントを押さえられている
端末ではなく、バックアップ側から見られている形です。端末を買い替えても続くのはこのパターンです。
5. 偽のログイン画面に入力してしまった
通知やメールのリンクから、本物に似た画面に入力してしまう形です。心当たりがある場合は、いつ・どのサービスだったかを控えておいてください。
3番が分かるだけで終わるご相談も、少なくありません。誰かに入られたのではなく、設定が残っていただけだった、という形です。これも調べなければ分かりません。
身近な人が疑わしいとき、何から確かめるか
1. 端末に何が入っているかを見る
スマートフォンをお預かりして解析します。見るのは主にこの4つです。
- 監視アプリ|位置情報や通話履歴を外に送るものです。アイコンを隠せるものもあります
- 構成プロファイル|iPhoneで、設定をまとめて書き換える仕組みです。入れられていると気づきにくいところにあります
- 共有設定|位置情報の共有、カレンダーの共有、写真の共有。本人が入れた覚えのないものが入っていることがあります
- ログイン履歴|どの端末から、いつログインされているか
パソコンの場合は、遠隔操作ソフト、キーロガー、不審なアクセス履歴を見ます。
ここで何も出ないことも、めずらしくありません。その場合は「入っていませんでした」とご報告します。それが分かるだけで、不安の正体が変わることがあります。
2. いつから入ったのかを見る
何が入っていたかより、いつ入ったかのほうが人の特定につながります。
アプリや設定には、追加された日時が残っています。「この日に入っている」と分かれば、その日に誰が端末に触れられたかという話になります。ご本人の記憶と突き合わせると、絞り込める場合があります。
3. 誰が触れる場所にあったかを突き合わせる
ここが行動調査の役割です。その日その時間に、疑っている相手がどこにいたか。端末の解析で出た日時と、行動で分かった事実を並べます。
片方だけでは足りません。端末の解析だけでは「誰か」が分かりません。行動調査だけでは「何をしたか」が分かりません。両方を同じ報告書に載せられる形が、この分野で探偵を使う意味です。
発信元のIPが出たあと、何ができるのか
当社では、不正アクセスの発信元を特定します。ただ、ここで注意していただきたいことがあります。
発信元が分かることと、名前が分かることは別です。
発信元から契約者の名前にたどり着くには、通信事業者への 発信者情報開示請求 が必要です。これは弁護士・裁判所の手続きで、当社が行うものではありません。
ただし、開示請求をするには、まず発信元が分かっていないと始まりません。当社が担当するのはその手前までです。
身近な人が疑わしい場合は、順番が違います。開示請求まで行かなくても、端末の解析と行動調査で絞り込めることがあるためです。相手が誰か見当もつかない場合は、開示請求のルートになります。どちらの形になるかは、初回のご相談でお話を聞いてから決めます。
🔴 操作する前に、やめてほしいことが3つあります
不安になると手を動かしたくなりますが、その操作で手がかりが消えます。
- 端末を初期化しない|何が入っていたかが分からなくなります。これがいちばん多い取り返しのつかない操作です
- 怪しいアプリをすぐ削除しない|削除する前に、入った日時とインストール元を見ます。そこが人の特定につながります
- 相手に「見てるでしょ」と言わない|証拠を消されます。もう言ってしまった場合も、そのままお聞かせください。進め方を変えます
先に記録しておいてほしいのは、いつから不審な動きがあるのか・どのアカウントに影響が出ているのか・どの端末を使っているのかの3点です。この3つが揃っていると、初回のご相談で進め方まで決まります。
当社が確認できることと、お受けしないこと
確認できること
- ご依頼者のスマートフォンの解析(監視アプリ・構成プロファイル・共有設定・ログイン履歴)
- ご依頼者のパソコンの解析(遠隔操作ソフト・キーロガー・不審なアクセス履歴)
- 不正アクセスの発信元の特定
- 身近な人が関与しているかの絞り込み(解析で出た日時と、行動調査で分かった事実の突き合わせ)
- 報告書としての証拠化(警察や弁護士に出せる形に整えます)
解析は当社の調査員が行います。外部に出しません。
お受けしないこと
- 他人の端末を、本人の同意なく解析すること(ご依頼者本人、または管理権のある端末に限ります)
- 相手のアカウントに入って中を見ること(不正アクセス禁止法に触れます)
- 相手のパスワードを取得すること
- 通信事業者・SNS運営元への開示請求そのもの(弁護士・裁判所の手続きです)
- 刑事事件としての捜査(警察の仕事です)
- 投稿の削除や、消えたデータの復旧の保証
誰が何をやるのか
4つに分かれます。どこから始めるかで迷う方が多いので、整理します。
- 探偵|端末の解析、発信元の特定、人の絞り込み、報告書としての証拠化
- 弁護士|発信者情報開示請求、損害賠償請求、交渉
- 警察|刑事事件としての捜査。不正アクセス禁止法違反は犯罪です
- サービス運営元|アカウントの復旧、不正ログインの停止
順番は 記録を残す → 何が起きたかを確定させる → そのうえで警察・弁護士へ です。何も持たずに窓口へ行くと「様子を見てください」で終わることが多いのは、判断する材料がないからです。
法人からのご相談の場合
社内から情報が出ている、退職した社員しか知らないことが外部に漏れている、というご相談も受けています。
法人の場合、外部からの攻撃よりも、中にいる人・いた人が関わっている割合のほうが高くなります。その場合も手順は同じです。端末の解析で何が使われたかを見て、行動で誰かを絞ります。
- 情報漏洩の犯人は社内にいる?企業調査で確認できる行動と証拠収集
- 退職した社員しか知らない社内情報が外部に漏れている|情報流出の経路と事実を確認する調査
- 情報漏洩を隠す社員の危険な兆候|企業調査を始める前の証拠保全
費用
解析する端末の台数と、発信元の特定まで進めるかどうかで変わります。そのため定額では出していません。初回のご相談でお見積りをお出しします。
金額を動かすのは、主にこの3つです。
- 解析する端末の台数|スマートフォン1台だけか、パソコンも含むか
- 発信元の特定まで進めるか|「何が入っていたか」までで足りる場合と、「誰が」まで必要な場合があります
- 行動調査を併せるか|身近な人が疑わしいとき、解析だけでは人が確定しないことがあります
行動調査を併せる場合の料金は公表しています。あわせてご覧ください。
どのくらい時間がかかるのか
段階によって変わります。目安としてお伝えしているのは次の形です。
- 端末の解析|お預かりしてからご報告まで、数日の単位です。台数が増えればその分かかります
- 発信元の特定|解析で手がかりが出てから進めます。出なければ、この段階には進みません
- 行動調査を併せる場合|疑っている相手の動きを見る日数が必要です。曜日や時間に偏りがあるご相談では、その曜日を待つことになります
急いだほうがいいのは、相手にこちらが気づいたと伝わる前です。気づかれると、入れたものを消されます。消されたあとでも痕跡から追える場合はありますが、確実性は落ちます。
不正アクセスは犯罪です
他人のIDやパスワードを使って無断でログインする行為は、不正アクセス禁止法で禁止されています。犯罪なので、被害届の提出先は警察です。
そのうえで、実務としては何が起きたかを説明できる状態にしてから窓口へ行くほうが、話が前に進みます。「見られている気がする」だけでは、警察も動く材料がありません。当社がやっているのは、その材料をつくる部分です。
なお、刑事と民事は別の手続きです。相手に損害賠償を求める場合は民事になり、弁護士の領域になります。当社から特定の弁護士をご紹介することはしていませんが、報告書は弁護士に出せる形で作ります。
よくあるご質問
警察に相談すれば、無料で特定してくれますか
刑事事件として捜査が始まれば、警察が動きます。ただ、被害の内容が説明できる状態になっていないと、相談で終わることが多いです。何が起きたかを先に確定させておくと、話が進みやすくなります。
相手が海外にいる場合は
難しくなります。発信元が海外のサーバーを経由している場合、開示請求が届かないことがあります。ただ、身近な人が海外からやっている場合は別です。お話を聞いてから判断します。
何も出なかったら費用はかかりますか
解析そのものが作業なので、費用はかかります。ただ、解析が必要ない状況だと初回のご相談で判断できた場合は、その時点でそう申し上げます。そこまでは無料です。
端末を預けている間、連絡が取れなくなりますか
台数と範囲によって変わります。1台しかお持ちでない場合は、お預かりする時間をできるだけ短くする形でご相談します。
自分で調べる方法はありますか
設定を見るだけで分かることもあります。ただ、見て回る過程で記録が変わってしまうことがあるため、強くはお勧めしません。どうしても先に確認したい場合は、何を触って何を触っていないかを控えておいてください。
ご相談から報告までの流れ
- 無料相談|いつから・どのアカウント・どの端末、の3点をお聞きします。匿名で構いません
- 切り分け|解析が必要な状況か、設定の確認で足りるかを判断します。必要ないと分かればそう申し上げます
- お見積り|台数と範囲を決めてから金額をお出しします
- 端末のお預かり・解析|当社の調査員が行います
- 必要なら発信元の特定・行動調査
- 報告書のお渡し|警察や弁護士に出せる形に整えます
同じようなご相談
端末を初期化する前に、一度お話を聞かせてください
「心当たりのある人がいる」という段階でお聞きします。操作してしまうと戻らない記録があります。
解析が必要ない状況であれば、そう申し上げます。新宿エリアに対応しています。

匿名でのご相談も可能です/新宿エリア対応



実際のご相談では、「入れられた日が、相手が部屋に来た日と一致した」という形で判明することがあります。技術的な話ではなく、日付の一致です。