タイのご相談でいちばん多いのは、「現地に行かないと何も分からないのではないか」というお尋ねです。
タイは、日本にいるまま確かめられることが、思っていらっしゃるより多い国です。外国人の居所が当局に届けられる仕組みが二重にあり、会社については決算書まで無料で公開されています。
ただし、そのどちらも第三者が照会できるものではありません。何が取れて何が取れないのかを、先にはっきりさせておきます。ご相談は無料です。
| タイ居所の届出と、無料で見られる決算書 |
この記事の内容
このような状況ではありませんか?
- タイへ行ったきり、連絡が取れなくなった家族がいる
- 「バンコクで会社をやっている」と聞いているが、裏が取れない
- 取引先のタイの会社が、どれくらいの規模なのか分からない
- 結婚を考えている相手の、仕事や住まいのことが確かめられない
- 駐在している家族の様子が、半年ほど前から変わった
タイの窓口は、バンコクとチェンマイで分かれます
最初にここを押さえておくと、問い合わせの往復が一度で済みます。
在留届の提出は、旅券法で義務づけられています
在タイ日本国大使館は、「旅券法第16条により、外国に住所又は居所を定めて3か月以上滞在する日本人は、その住所又は居所を管轄する在外公館に『在留届』を提出するよう義務付けられています」と説明しています。提出は「オンライン在留届(ORRネット)」により、在留地到着の90日前から可能です。オンラインでの申請が難しい場合は、大使館の領事窓口でも受け付けています。
そして管轄が分かれます。北部タイ9県(チェンマイ、チェンラーイ、ラムプーン、メーホンソン、ラムパーン、ナーン、パヤオ、プレー、ウッタラディット)にお住まいの方は、在チエンマイ総領事館が窓口です。それ以外の地域はバンコクの在タイ日本国大使館になります。
出典:在タイ日本国大使館「領事関連情報」

チェンマイやチェンラーイに住んでいる方のことを、バンコクの大使館にお尋ねになっても、記録はそちらにありません。最初に「どの県にいたのか」を確かめるのは、このためです。
タイでは、居所の届出が二重になっています
これはタイに特徴的な仕組みで、ほかの国の記事には書いていないことです。
本人が届ける分と、滞在させた側が届ける分があります
タイ入国管理局が公開している手続一覧には、次の二つが並んでいます。
・タイに90日を超えて滞在する外国人の、居所の届出(タイ入国管理法 B.E.2522 第37条)
・外国人を滞在させた側(家主、所有者または占有者、ホテルの支配人)による、居所の届出(同 第38条)
つまりタイでは、本人が自分の居所を届け、泊めた側も届けるという二重の建て方になっています。
出典:タイ入国管理局 ウッタラディット事務所「PUBLIC HANDBOOKS」(英語版)

ここでご注意いただきたいことがあります。これは当局が把握するための制度で、第三者が「あの人はどこにいますか」と照会できるものではありません。ご家族であっても同じです。「届いているはずだから分かるだろう」というお話を伺うことがありますが、そこはつながっていません。
では何の役に立つのか。本人の手元に、控えや受理の記録が残っていることがあります。連絡が取れている段階でご相談いただけた場合、「去年の90日ごとの届出の控えはあるか」と伺うだけで、住まいがどこだったのかが一枚の紙で分かることがあります。
連絡が取れなくなってからでは、この手は使えません。タイのご相談をいただくとき、早い段階ほど確かめられることが多いのは、これが理由のひとつです。
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ここはタイがいちばん強いところです。中国や台湾の公開システムで見られるのは、登記されている事項が中心です。タイは、そこに決算書が付きます。
DBD DataWarehouse(商務省 事業開発局)
タイ商務省の事業開発局(กรมพัฒนาธุรกิจการค้า กระทรวงพาณิชย์ / Department of Business Development)が運営している公開データベースです。無料で利用できます。
サイト上で案内されている項目は、次のとおりです。
・法人情報と財務諸表
・業種(事業の種類)
・外国人による投資
・株主名簿
・地域別のデータ
・統計とランキング
出典:DBD DataWarehouse(datawarehouse.dbd.go.th)

「取引先がどれくらいの規模か分からない」というご相談で、こちらが最初に当たるのはここです。登記があるかどうかだけでなく、売上や利益の推移、誰が株主なのかまで出てきます。
注意点もあります。表示はタイ語です。項目の意味が分かる人が読まないと、数字を取り違えます。また、決算書は提出された年の分しかありません。直近の提出が数年前で止まっている、それ自体が一つの情報になることもあります。
海外の企業調査を順番立てて進める方法は海外の企業調査|取引先の実態を、日本から確かめる手順にまとめています。
連絡が取れなくなったとき、どこから当たるか
順番があります。この順でないと、使えるはずの制度を飛ばしてしまいます。
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タイには、バンコクに常駐している調査会社があります。こちらが現地へお願いするときに、毎回確かめているのは3つです。
「現地に常駐していないところに頼んで大丈夫か」とお尋ねになることがあります。常駐していることの強みは確かにあります。こちらがお引き受けするのは、日本側で片づく部分を先に片づけて、現地でしか分からないことだけを残してから渡すという進め方です。そのほうが、現地で動く時間が短くなります。
国ごとの体制の作り方は海外での調査は何ができるのか|7つの型と、国別にできることにまとめています。
お受けしない調査があります
出身地・本籍・家柄・国籍・親族の系譜を判断材料にする調査は、お受けしておりません。
探偵業の業務の適正化に関する法律(探偵業法)第9条第1項は、探偵業者に対し、調査の結果が犯罪行為や違法な差別的取扱いのために用いられることを防止するよう求めています。結婚や取引の可否を、相手がどこの出身かで決めるためのご依頼は、この趣旨に反します。
こちらがお調べするのは、相手が話していることと、記録や実際の様子が合っているかどうかです。相手の属性ではありません。
あわせて、相手の口座残高や資産額を特定するご依頼もお受けしておりません。国内でも海外でも、こちらが正当に取れるものではないためです。会社の決算書は公開されていますが、個人の口座は別の話です。
よくあるご質問
Q. 90日ごとの届出から、相手の住所は分かりますか?
第三者が照会することはできません。分かるのは、本人の手元に控えが残っている場合です。連絡が取れているうちにご相談いただくと、ここが使えます。
Q. 社名が分かりません。それでも会社は調べられますか?
DBD DataWarehouseは、法人を特定してから中身を見ていく作りです。社名が分からない段階では、まずそこを特定するところからになります。勤務先として聞いている名前、名刺、送金の記録、住んでいた場所。手がかりがどれかあれば、どこから当たるかをご説明します。
Q. チェンマイに住んでいる家族のことです。どこに相談すればいいですか?
領事の手続きは在チエンマイ総領事館が窓口です。こちらへのご相談は、どの県でも同じようにお受けします。
Q. 費用はどれくらいかかりますか?
日本側で確かめられる範囲だけで済むのか、現地で人が動くのかで、桁が変わります。どちらになるかは、お話を伺った段階で申し上げます。先に金額をお出しして、ご納得いただいてから着手します。
Q. 相手に知られずに進められますか?
登記や公開されている記録の確認は、相手に知られません。現地で人が動く段階になると、可能性が出てきます。その場合は、やらない選択も含めて先にご相談します。
まとめ
タイの窓口は二つに分かれます。北部タイ9県は在チエンマイ総領事館、それ以外はバンコクの在タイ日本国大使館です。3か月以上の滞在に在留届の義務があることは、旅券法第16条のとおりほかの国と同じです。
タイに特徴的なのは、居所の届出が二重にあることです。90日を超えて滞在する外国人本人の届出(タイ入国管理法 B.E.2522 第37条)と、滞在させた側の届出(同 第38条)。ただしどちらも第三者は照会できません。使えるのは、本人の手元に控えが残っている場合です。だからこそ、連絡が取れているうちのご相談が、いちばん効きます。
会社については、タイは日本から確かめられる範囲がとくに広いところです。DBD DataWarehouseは無料で、法人情報と決算書、株主名簿まで公開されています。中国の国家企業信用信息公示系統や台湾の商工登記公示資料查詢で見られるのは登記事項が中心ですから、決算書まで付くのはタイの特徴です。取引先の規模を知りたいというご相談は、ここで答えが出ることがあります。
ここで話が終わるなら、ご依頼は要りません。そのうえで、現地でしか分からないことが残ったときに、どこまでやるかを先に区切ってお受けします。
こちらにご依頼いただかない結論でも構いません。まずお話を伺わせてください。ご相談は無料です。
国ごとのまとめもあります。アジアは韓国/中国/台湾/フィリピン/シンガポール/ミャンマー。北米・中東・ハワイはアメリカ/ニューヨーク/ハワイ/ドバイ。全体の見取り図は海外での調査は何ができるのか|7つの型と、国別にできることをご覧ください。

