海外の会社と取引を始める前に、相手のことを確かめておきたい。そういうご相談です。
現地に行ったことがない、担当者としかやり取りがない、紹介で話が進んでいる——この状態で契約や送金の日が近づいてくると、確かめようがないまま決めることになります。
このページでは、こちらが確かめている5つを先にお書きしたうえで、ご自身で先に確かめられることと、日本の法律の側から見て先に確かめておくべきことを分けてご説明します。ご相談は無料です。
この記事の内容
このような状況ではありませんか?
- 海外の会社と取引を始めることになったが、相手を確かめる方法が分からない
- 担当者としかやり取りがなく、会社の実体が見えない
- 送金や前払いの話が出ているが、判断材料がない
- 紹介で進んでいるので、いまさら調べたいと言い出しにくい
- 現地法人や合弁の相手として、本当に問題がないのか確かめたい
海外の企業調査で、確かめている5つ
「企業調査」という言葉も幅が広いので、こちらが実際に見ているものを先に並べます。

このうち①②③は、公開されている記録から確かめられることが多いところです。先にそちらをお書きします。
探偵に頼む前に、ご自身で確かめられること
会社の登記は、多くの国で誰でも閲覧できる公の記録として整備されています。国によって範囲は違いますが、おおむね次のようなものが出てきます。
ここまでで話が止まることがあります。その場合、こちらにご依頼いただく必要はありません。費用をかけずに済むなら、それがいちばんです。
そのうえで、登記に出ていることが本当かどうか——書いてある住所に事務所があるのか、人が働いているのか——は、現地で見る以外にありません。そこからがこちらの仕事になります。
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ここが、海外の企業調査でいちばんお伝えしたいところです。相手を調べることは、相手を疑うためではなく、自社を守るためでもあります。
不正競争防止法 第18条第1項(外国公務員等に対する不正の利益の供与等の禁止)
「何人も、外国公務員等に対し、国際的な商取引に関して営業上の不正の利益を得るために、その外国公務員等に、その職務に関する行為をさせ若しくはさせないこと、又はその地位を利用して他の外国公務員等にその職務に関する行為をさせ若しくはさせないようにあっせんをさせることを目的として、金銭その他の利益を供与し、又はその申込み若しくは約束をしてはならない。」
問題は、「外国公務員等」が役所の人だけを指すのではないということです。同じ第18条の第2項が、次のように定めています。

ご覧のとおり、三号に当たるかどうかは、株主の構成と役員の任命のされ方を見ないと分かりません。相手の会社の名前を見ても、担当者と会っても、分からないのです。
そして、罰則はこうなっています。
不正競争防止法 第21条第4項第4号——第18条第1項の規定に違反したときは、10年以下の拘禁刑もしくは3,000万円以下の罰金、またはその両方。
同 第22条第1項第1号——法人の従業者等が業務に関してこの違反行為をしたときは、行為者を罰するほか、その法人に対して10億円以下の罰金刑。
誤解のないようお書きしますが、これは贈賄をしたときの罰則です。調べなかったことが罰せられるわけではありません。
こちらが申し上げたいのは、順番の話です。接待や謝礼、仲介手数料の話は、取引が進んでから出てきます。そのときになって「相手はどういう立場の人なのか」を確かめようとしても、もう話は動いています。株主構成と役員は、取引を始める前なら、ただの事実として確かめられます。
国有企業や、政府が出資している会社との取引は、それ自体に何の問題もありません。問題があるのは、そうと知らないまま進むことのほうです。
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海外のご依頼で、いちばん分かりにくいのがここです。日本の事務所にご相談いただいても、現地で実際に動くのは別の誰かです。そこが見えないまま話が進んでしまうことが、よくあります。
ですので、こちらの立っている場所を先に書いておきます。
WADは、加盟社を保証していません
これはWAD自身が公式サイトに書いていることです。会員が他の会員を使うときは自分で確認(デューデリジェンス)をするよう推奨し、会員との契約で生じた損害について一切の責任を負わないと明記されています。
加盟社の一覧は「ここから探しなさい」という名簿であって、「ここなら大丈夫」という保証ではないということです。
だから、会議に出ることに意味があります。同じ名簿を見ていても、名前だけ知っている会社と、会って話したことのある会社では、頼むときの確かめ方が変わります。
こちらが毎回確かめている3つ
現地へお願いする前に
新宿支店は加盟していませんが、WADの加盟社を調べて、実際にお願いしたことがあります。そのときも、この3つを確かめたうえで決めました。
「現地の協力者に任せるので安くできます」という説明をご覧になることがあると思います。そのこと自体を否定はしません。ただ、その協力者が誰で、その土地で何ができる立場なのかは、お聞きになったほうがいいと思います。こちらにお尋ねいただければ、お答えします。
書類で分かること、現地でしか分からないこと
ご依頼を受ける前に、必ず分けてお話ししているところです。

ご相談の中身によっては、書類の確認だけで足りることがあります。現地へ人を出すかどうかは、そこを見てからお決めいただいて構いません。
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「海外調査」とひとまとめにできるものではありません。国によって、登記の公開範囲も、個人情報の扱いも、調査という仕事そのものの扱いも違います。
国ごとの体制と費用の目安は海外での調査は何ができるのか|国別の体制・費用・進め方に、アメリカはアメリカでの調査は何ができるのか|州が変われば、できることが変わりますとニューヨークでの調査は何ができるのか|免許制の州で、誰が何をするのか、人を入れられない国の例はミャンマーでの探偵調査|現地に人を入れられない国で、何が確認できるのかにまとめています。
取引先を国別に確かめる場合は、韓国の取引先・採用相手の実態確認|英語の開示だけで判断しないもご覧ください。海外子会社の内部の話であれば海外子会社で内部告発「上司が横領している」|企業が最初に確認すべき証拠が近いご相談です。
期間と費用の目安
最初に伺うことが多いので、先に書いておきます。海外の企業調査は、確かめる範囲で期間も金額も変わります。
期間は、1か月から2か月
登記や公開されている記録で分かる部分は、数日で出ます。ただし現地で人が動く段階まで入ると、全体で1か月から2か月を見ていただいています。相手の国と、確かめる項目の数で変わります。
費用は、50万円から
内容によります。50万円は、現地が動く前提のご依頼での下限です。日本から確かめられる範囲だけで答えが出る場合は、ここまでかかりません。
先に金額をお出しして、ご納得いただいてから着手します。「分かるまで」という受け方はしません。確かめる対象と範囲を、着手前に決めます。
日本から確かめられる範囲だけで終わるかどうかは、お話を伺った段階で申し上げます。そこで終わるなら、ご依頼は要りません。
お受けしない調査があります
出身地・本籍・家柄・国籍・親族の系譜を判断材料にする調査は、お受けしておりません。
探偵業の業務の適正化に関する法律(探偵業法)第9条第1項は、探偵業者に対し、調査の結果が犯罪行為や違法な差別的取扱いのために用いられることを防止するよう求めています。採用や取引の可否を、その人がどこの出身かで決めるためのご依頼は、この趣旨に反します。
こちらがお調べするのは、会社が実在して動いているか、名乗っていることと記録が合っているかです。相手の属性ではありません。
あわせて、相手の口座残高や資産額を特定するご依頼もお受けしておりません。国内でも海外でも、こちらが正当に取れるものではないためです。
個人の身辺について確かめたい場合は海外の身辺調査|海外にいる相手の素性を、日本から確かめる手順、所在が分からない方を探す場合は海外で人を探すとき|外務省の所在調査が使える人・使えない人と、探偵が担うところをご覧ください。
よくあるご質問
Q. 相手に知られずに調べられますか?
登記や公開されている記録の確認は、相手に知られません。現地で取引先や近隣に当たる段階になると、知られる可能性が出てきます。その場合は、どこまでやるかを先にご相談します。
Q. 会社名しか分かりません。それでも調べられますか?
多くの国では会社名から登記を引けます。ただし同名・類似名が複数あることが珍しくありません。所在地や担当者の名前、送られてきた書類の控えなど、手元にあるものをお持ちください。絞り込みの精度が変わります。
Q. 相手が国有企業かどうかは、どう分かりますか?
株主の構成と、役員が誰に任命されているかを見ます。登記で確かめられる国と、確かめにくい国があります。確かめにくい国の場合は、どこまでが推定でどこからが確認できた事実なのかを分けてご報告します。
Q. 採用する相手の調査も頼めますか?
お受けしています。学歴・職歴の在籍確認、名乗っている資格の有無などが対象です。出身や家柄を判断材料にするご依頼はお受けできません。
Q. 契約の日が迫っています。間に合いますか?
書類の確認だけであれば、現地へ人を出すよりは早く進みます。ただし「いつまでに必ず」とお約束はしません。国によって記録の取り方が違うためです。期限がある場合は、その日までに何が確かめられる見込みかを先にお伝えします。
まとめ
海外の企業調査で確かめているのは、実在・稼働・株主と役員・係争や支払いの評判・名乗っている肩書きと記録の一致の5つです。
このうち登記から分かる部分は、ご自身でも確かめられます。そこで話が止まるなら、こちらにご依頼いただく必要はありません。
そのうえで、ひとつだけ順番をお間違えにならないでください。取引先の役員が「外国公務員等」に当たるかどうかは、株主構成と役員の任命のされ方を見ないと分かりません。不正競争防止法第18条の三号は、外国の政府が議決権株式の50%超を持つ、または役員の過半数を任命している事業者を指しています。見た目は、普通の会社です。
国有企業と取引すること自体には、何の問題もありません。問題があるのは、そうと知らないまま接待や謝礼の話に進むことのほうです。
書類で分かることと、現地でしか分からないことは分けてお話しします。現地へ人を出すかどうかは、書類を見てからお決めいただいて構いません。
こちらにご依頼いただかない結論でも構いません。まずお話を伺わせてください。ご相談は無料です。
相手が中国の会社の場合は、中国での調査は何ができるのかをご覧ください。
相手が台湾の会社の場合は、台湾での調査は何ができるのか|窓口と、1年の期限をご覧ください。
タイの会社を確かめたい場合はタイでの調査は何ができるのか|居所の届出と、無料で見られる決算書をご覧ください。決算書まで無料で公開されています。
国ごとのまとめもあります。アジアは韓国/中国/台湾/タイ/フィリピン/シンガポール/ミャンマー。北米・中東・ハワイはアメリカ/ニューヨーク/ハワイ/ドバイ。全体の見取り図は海外での調査は何ができるのか|7つの型と、国別にできることをご覧ください。

