アメリカが関わる調査のご相談で、最初にお伝えしていることがあります。「アメリカでは」という言い方が、そもそも成り立ちません。

アメリカ州が変われば、できることが変わります

探偵業の免許も、録音の同意も、州ごとに制度が違います。連邦の探偵免許は存在しません。録音は連邦法なら一方当事者の同意でよいのに、12の州は全員の同意を求めます。同じ行為が、州をまたいだ瞬間に合法から違法に変わることがあるということです。

このページでは、新宿の探偵が、アメリカで何が変わるのかを条文と制度で整理します。都市ごとの話はハワイとニューヨークのページでご説明しています。ご相談は無料です。

探偵の免許は、州ごとです

アメリカの探偵免許

  • 連邦の探偵免許は存在しません
  • 50州のうち45州とワシントンD.C.が、州の免許を要求しています
  • 州レベルの制度が無いのはアラスカ・アイダホ・ミシシッピ・サウスダコタ・ワイオミングの5州
  • ただしその5州でも、アンカレッジやフェアバンクスのように市が独自に免許を課している場合があります

これは業者側を縛る制度です。ご依頼者が罰せられるという話ではありません。ただ、頼んだ相手が州法の枠の外にいれば、そこで得られたものは使えません。

たとえばニューヨーク州は一般営業法§70で免許制とし、違反は class A misdemeanor と定めています。「現地の知り合いに頼めば安くできます」という説明が出てきたら、そこは確かめてください。

録音の同意も、州ごとです

ここがいちばん誤解されているところです。

連邦と州で違います

  • 連邦法(18 U.S.C. §2511)は「一方当事者の同意」で足ります。会話に参加している人が録るぶんには問題にならない、という立場です
  • 一方、12の州は「全当事者の同意」を要求しています——カリフォルニア/コネチカット/デラウェア/フロリダ/イリノイ/メリーランド/マサチューセッツ/モンタナ/ニューハンプシャー/オレゴン/ペンシルベニア/ワシントン
  • 残る38州とワシントンD.C.は一方当事者の同意で足ります

さらにややこしいのは、同じ州でも通話と対面で扱いが違う場合があることです。コネチカットは通話は全員同意・対面は一方でよい、オレゴンは対面が全員同意・電子通信は一方でよいという形になっています。

つまり、カリフォルニアで許されない録音が、テキサスでは問題にならない——ということが普通に起きます。「アメリカでは録音してもいい」と聞いて実行するのが、いちばん危ない形です。

そして「一方当事者の同意でよい州」でも、仕掛けて録るのは別問題です。たとえばニューヨーク州刑法§250.00は、「その場にいない者が、少なくとも一方の当事者の同意なく」録音する行為を定義として置き、これに当たる場合は§250.05で class E felony(重罪)としています。留守中の部屋に録音機を置く行為が、ここに当たり得ます。

ハワイも一方当事者の同意で足りる州ですが(HRS §803-42)、「私的な場所」で外から分からない音を拾う場合は全員の同意が必要とされ(§711-1111)、私的な場所への隠しカメラは別に処罰対象です。

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経歴レポートは、連邦法で制限されています

免許と録音は州ごとですが、ここは連邦で統一されています。そして日本より厳しいです。

公正信用報告法(FCRA)15 U.S.C. §1681bは、consumer report——信用情報を含む調査報告——を提供してよい目的を条文で列挙しています。

FCRA §1681b の要点

  • 列挙された目的以外では、consumer reportを提供してはならない
  • 「個人が、別の個人について知りたい」という目的は、その列挙に入っていません。婚約者・交際相手・取引相手、いずれも同じです
  • 雇用目的は列挙に入っていますが、(b)(2)により本人への書面告知と本人の書面承諾が必要です

「社員に知られずに経歴レポートを取る」という形は、制度として成立しません。これを請け負う相手がいれば、そこは確かめてください。

当社が確かめるのは書類ではなく、実際にどう生活し、どう行動しているかです。詳しくはハワイでの身辺調査でご説明しています。

都市によって、現場の条件が変わります

制度の次は、現場の話です。アメリカは広く、都市ごとに難しさの中身が違います。

ハワイ(ホノルル)ニューヨーク(マンハッタン)
移動の中心車。レンタカー移動が前提徒歩と地下鉄。車での追跡が成立しにくい
難しくなる理由島をまたぐと追跡が翌便まで途切れる一方通行と渋滞、停車できる場所がない
建物比較的開けているドアマン付きが多く、内部に入れない
時差19時間で不変(夏時間を採用しない)13〜14時間(夏時間で季節により変動)
録音一方当事者の同意で足りる(HRS §803-42)。ただし私的な場所は別一方当事者の同意で足りるが、仕掛けて録るのは重罪(§250.05)

共通しているのは、調査員2名が下限だということです。ハワイは車と島間移動のため、ニューヨークは乗り換えと建物の出口のため。理由は違いますが、1名では途切れる点は同じです。

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確認できること、確認できないこと

確認できること

  • 実際に住んでいる場所と、そこに誰と出入りしているか
  • 説明されている勤め先に、実際に通っているかどうか
  • 日常の行動と、同行している相手の有無
  • 対象の方ご本人についての評判・風評。その方自身についての事実として、聞き取りを行います
  • 公開されている情報との整合
  • これらを、日時の入った記録と写真でまとめた報告書

確認できないこと

  • consumer reportにあたる経歴・信用情報(FCRA §1681b)
  • 会話や通信の中身
  • 過ぎた日の行動
  • 相手の気持ちや今後の意向

体制と時差

日本人の調査責任者が現地に入り、こちらの指揮で組み立てます。ただし州法上の免許が必要になる行為は、免許を持つ者が担当します。「現地に丸投げ」でも「日本から全部やる」でもない形です。どの範囲を誰が担当するのかは、ご相談の段階でご説明します。

時差は都市によって変わります。ハワイは19時間で一年中変わりません(夏時間を採用していないため)。ニューヨークは13〜14時間で、3月から11月の夏時間の分だけ季節で動きます。ご報告のタイミングもその分ずれるので、日程を組むときに織り込みます。

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費用の考え方

区分中身
基本料金150,000円〜
行動調査1日 250,000〜300,000円(調査員2名・実働4時間が下限)
所在確認の調査350,000円〜(7日)
結婚前の確認200,000円〜
渡航費・現地滞在費実費。別途申し受けます
通訳・翻訳実費。別途申し受けます

基本料金と行動調査を併記しているのは、この二つの中身が違うからです。基本料金は着手と段取り、行動調査は現地で人が動く費用。一つにまとめて「総額いくら」と言い切ると、あとで必ず食い違います。

アメリカは移動距離が長いぶん、どの都市を見るかで日数が変わります。複数の都市にまたがる場合は、ご相談の段階で優先順位を決めます。

お受けできないご依頼

  • 相手方への接触、脅し、嫌がらせにつながるご依頼
  • 会話や通信の中身を取得すること。方法の如何を問わずお受けできません
  • 回収や交渉。探偵の業務ではありません。弁護士の領域です
  • 現地の法令に触れる方法での調査。ご依頼者のご希望であっても、お受けできません
  • 出身地、本籍、家柄、国籍、親族の系譜を判断材料にするための調査。探偵業法第9条第1項により、差別につながる調査はお受けできません。「情報だけもらって判断はこちらでする」というご依頼も同じ扱いです
    ——ただし、対象の方ご本人についての評判・風評の聞き取りは行います。その方自身についての事実だからです

お受けできないご依頼でも、ご相談自体はお受けします。「それはお受けできませんが、代わりにここまでは確認できます」とお伝えするためです。断って終わりにはしません。

よくある質問

アメリカでは録音してもいいと聞きました

州によります。連邦法(18 U.S.C. §2511)は一方当事者の同意で足りますが、カリフォルニア・フロリダ・イリノイなど12州は全当事者の同意を要求します。さらにコネチカットは通話と対面で、オレゴンは対面と電子通信で扱いが違います。そして「一方当事者の同意でよい州」でも、いない間の会話を仕掛けて録るのは別の問題です。ニューヨーク州では重罪に当たり得ます。

アメリカなら身元調査ができるのでは?

できません。FCRA(15 U.S.C. §1681b)が、consumer reportを提供してよい目的を条文で列挙しており、個人が別の個人について知りたいという目的は入っていません。日本より制限が強い領域です。確かめられるのは、書類ではなく実際の行動と評判です。

現地の業者に直接頼めば安いのでは?

45州とワシントンD.C.が探偵業を免許制にしており、たとえばニューヨーク州では無免許の営業が class A misdemeanor です。免許の話に触れずに請け負う相手は、州法の枠を見ていません。そこで得られたものは、あとで使えなくなる可能性があります。

どの都市でも同じ費用ですか?

単価は同じですが、必要な日数が変わります。ハワイは島をまたぐと追跡が翌便まで途切れ、ニューヨークは徒歩と地下鉄で生活圏が広い。複数の都市にまたがる場合は、優先順位を先に決めます。

家族と連絡が取れません

在外公館(大使館・総領事館)にまずご相談ください。おおむね6か月以上音信不通で親族からの依頼であれば、所在の確認を行っています。費用はかかりません。ただし在外公館は「旅行業者、航空会社、銀行、弁護士、探偵、警察または病院の業務や役割を担うことはできません」と明示しているため、安否ではなく現在地を確かめたい場合は当社のような調査になります。

英語ができませんが、大丈夫ですか?

ご依頼者とのやりとりはすべて日本語です。報告書も日本語でお渡しします。現地でのやりとりに通訳が必要な場合は、その費用を実費として別途お出しします。

どこから相談すればいいですか?

「どの州の、どの都市か」と「何を確かめたいか」の二つが決まっていれば、その場で見通しをお伝えできます。決まっていなくても構いません。伺いながら一緒に整理します。ご相談は無料です。

相手の素性そのものを確かめたい場合は、海外の身辺調査|日本から確かめる手順をご覧ください。

会社を確かめたい場合は、海外の企業調査|取引先の実態を、日本から確かめる手順をご覧ください。

中国の場合は、中国での調査は何ができるのかをご覧ください。

台湾の場合は、台湾での調査は何ができるのかをご覧ください。

タイでのご相談はタイでの調査は何ができるのか|居所の届出と、無料で見られる決算書をご覧ください。

国ごとのまとめもあります。アジアは韓国/中国/台湾/タイ/フィリピン/シンガポール/ミャンマー。北米・中東・ハワイはニューヨーク/ハワイ/ドバイ。全体の見取り図は海外での調査は何ができるのか|7つの型と、国別にできることをご覧ください。

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