嫌がらせ調査|犯人特定

「犯人を特定してほしい」というご相談を、新宿支店では毎月お受けしています。ただ、最初にお伝えしているのは、特定という作業は一本の線ではなく、四つの段階に分かれているということです。どこまで進めば十分なのかは、そのあと何をしたいかで変わります。警察に被害届を出すのか、弁護士に渡すのか、管理会社を動かすのか、勤務先に伝えるのか。行き先が違えば、必要な材料も違います。
そしてもう一つ。特定に届くかどうかは、探偵が動き出すより前の段階でほぼ決まっています。被害が起きた時点でどう記録されていたか。そこが崩れていると、あとからどれだけ人を入れても埋まりません。逆に、記録さえ整っていれば、調査に入らずに済むこともあります。
このページでは、特定までの流れを段階ごとに分け、ご自身でできること・当社が担う部分・当社が引き受けないことを分けてご説明します。あわせて、特定できなかった場合に何が残るのかも書きました。ここを書いている探偵社はほとんどありませんが、実際にはこの話がいちばん多く必要になります。
このページで分かること
- 「犯人を特定する」が実際には四段階に分かれていること
- 依頼前にご自身でやっておいていただきたい記録の取り方
- 当社が確定できること・うかがわせる事実まで・取得できないこと・お受けしないこと
- 特定できなかった場合に手元に残るもの
- 特定できた後の行き先(警察・弁護士・管理会社・勤務先)の使い分け
「犯人を特定する」とは、実際には何をすることか
ご相談の場で「特定」という言葉が指しているものは、方によって違います。名前が知りたい方、顔が見たい方、本人に認めさせたい方、警察を動かしたい方。それぞれ必要な材料が違うので、最初にここを分けます。
特定までの四段階
- 第一段階|被害が「起きている」ことを示す
- いつ・どこで・何が起きたかを、第三者が読んで分かる形にします。ここが崩れていると、以降の段階はすべて成立しません。実際には、この段階で止まっているご相談がいちばん多いです。
- 第二段階|行為が可能だった人の範囲を絞る
- その時間にその場所へ入れた人は誰か。建物の構造、鍵の所在、人の出入り、勤務シフト。物理的な条件から絞ります。この段階で数人まで落ちることが珍しくありません。
- 第三段階|特定の人物と被害を結びつける事実を得る
- 現場での確認、行動の記録、痕跡の照合。ここが探偵の仕事の中心です。日数と人員が必要になるのもここです。
- 第四段階|その事実を、提出先が使える形にする
- 警察・弁護士・管理会社・勤務先。出す先によって、必要な形式が変わります。同じ事実でも、まとめ方を間違えると動きません。
この四段階のうち、第一段階と第二段階は、ご自身でかなりの部分まで進められます。そして進めておいていただくほど、第三段階の日数が減ります。費用が変わるのはここです。「先に自分でやっておくと安くなりますか」と聞かれることがありますが、答えは「はい」です。
逆に、第一段階が整っていない状態で第三段階から入ると、確認できた事実を被害と結びつけられません。現場を押さえても「その日その時刻に、たまたまそこにいた」で終わってしまいます。
特定に届くかどうかは、最初の段階でほぼ決まります
「証拠がない」と言われて止まっている方の記録を拝見すると、記録そのものはあることがほとんどです。足りないのは量ではなく、形です。記録の作り方そのものは嫌がらせの証拠の集め方で、媒体ごとに詳しくご説明しています。
後で使える記録と、使えない記録の違い
- 日時が特定できるか「先週くらい」ではなく「9月12日 23時40分ごろ」。写真であれば、撮影日時が残る形で。メモを後からまとめて書くと、この一点で弱くなります。
- 場所が特定できるかどの部屋の、どの面か。車であれば、どこに停めていた何番の区画か。写真は、被害箇所の寄りと、周囲が分かる引きの二枚。
- 前の状態が分かるか「傷がある」だけでは、いつ付いたか分かりません。被害がない時点の写真が一枚あるだけで、まったく違います。被害が続いている方には、毎朝一枚撮ることをお勧めしています。
- 連続しているか一件だけでは偶然と区別できません。回数と間隔が並ぶと、意図が見えます。三件目からは、日付だけでも並べてください。
特に三つ目の「前の状態」は、何度もお伝えしています。被害に遭ってから記録を始める方がほとんどですが、それだと「いつからあったのか」が争点になります。被害が続いている段階でご相談いただければ、次の一件から使える形に切り替えられます。
それから、これは逆の注意です。記録を取っていることを、相手に気づかれないようにしてください。気づかれた時点で手口が変わり、それまでの記録が途切れます。カメラを見える位置に付ける、周囲に「証拠を集めている」と話す、本人に「やめてほしい」と伝える。どれも、その後の特定を難しくします。
依頼前にやっておいていただきたいこと
- これまでに起きたことを、日付順に一行ずつ並べる(形式は問いません)
- 手元にある写真・動画・着信履歴・郵便物を、日付が分かる形でまとめる
- 被害が起きていない箇所も、今の状態を一度撮っておく
- 心当たりのある人物を、思いつく限り書き出す(外れていて構いません)
自分でできること|ここまでは依頼前に
ご自身で進められる範囲は、思っているより広いです。第二段階の「範囲を絞る」までは、多くの場合ご自身で到達できます。
時間帯を並べる。被害の発生時刻を並べると、たいてい偏りが出ます。平日の深夜だけ、週末の昼だけ、といった形です。偏りが出た時点で、その時間に動ける人の範囲が決まります。会社員なのか、近隣の在宅者なのか、同じ建物の住人なのか。
入れる人を数える。オートロックのある建物であれば、外部の人間が入るには誰かの協力が要ります。職場であれば、入退館の記録が残っています。駐車場であれば、その区画に近づける人は限られます。「誰でもできた」と思っている被害の多くは、実際には数人しかできません。
手口の組み合わせを見る。複数の手口が同時に始まっている場合、その時期に何かがあったはずです。転居、転職、別れ、金銭のやり取り、近隣への苦情。時期が一致する出来事は、それ自体が絞り込みの材料になります。
ここまでを整理した状態でご相談いただくと、初回の時点で「あと何が足りないか」がはっきりします。そして、この整理だけで解決に向かうことも実際にあります。管理会社に出す資料として十分だった、勤務先が動いた、という結果です。その場合は調査をお勧めしません。
こちらもチェック
嫌がらせの証拠の集め方|後で使える記録と、使えない記録の違い
つきまとい調査の依頼事例|新宿区で実際にあったこと(費用の実額つき)
深夜の帰り道でつけられていた|相手が分からないまま止まったつきまとい調査の依頼事例(東京都新宿区・20代女性)
探偵が担う部分|現場で何をしているのか
第三段階からが当社の領域です。ただ、具体的な手法をここに書くことはしていません。対象者に対策を与えることになるためです。ご依頼をお受けした場合は、着手前に書面で範囲と方法をご説明します。
書ける範囲でお伝えすると、やっていることは大きく三つです。
一つは現地の条件を確認することです。建物の構造、死角、人の動線、明るさ、音の届き方。被害が起きた状況を再現して、どこから、どうやって可能だったのかを確かめます。ご依頼者が「誰でもできる」と思っていた被害が、実際には特定の経路からしかできなかった、というケースがあります。
二つめは時間をかけて待つことです。被害の発生時間帯に人を配置します。ここが日数と人員、つまり費用に直結する部分です。発生の間隔が空いている案件ほど、日数が必要になります。だからこそ、第一段階の記録で間隔が分かっていることが効いてきます。
三つめは記録を提出先の形に整えることです。撮影した映像、確認した事実、時系列。これを、警察が受け取れる形、弁護士が使える形、管理組合が動ける形に作り分けます。ここを軽く見ると、せっかく確認できた事実が使われずに終わります。

当社が確かめられること、確かめられないこと
この件で、当社が確かめられること
- 確定できます
被害の発生パターン(曜日・時間帯・場所の偏り)。現地で物理的に可能だった経路。公開されている範囲で確認できる人物の実在と現在の活動。調査期間中に発生した行為の記録 - うかがわせる事実まで
行為が可能だった人物の範囲。関係者のつながり。手口の変化と、その時期に起きた出来事との一致。断定はせず、確認できた事実をそのままご報告します - 取得できません
相手の端末・アカウント・通信の中身。第三者の住居内の状況。通信事業者やプロバイダへの開示請求(弁護士の業務です)。相手方の戸籍や住民票 - お受けしません
相手への警告・交渉・接触。ご依頼者の名前を出して周囲に聞いて回ること。ご本人や関係者の出身地・本籍・家柄を調べること。相手に何かを仕掛けるための調査
四段目は当社の方針であると同時に、法律の定めでもあります。探偵業の業務の適正化に関する法律第8条第2項は、調査結果が違法な差別的取扱いや、犯罪行為・違法行為のために用いられることを知ったときは、業務を行ってはならないと定めています。第6条では、依頼者に対して、調査結果をそうした目的に用いない旨を書面で確認することも求められています。
サービスの範囲と料金の考え方は嫌がらせ調査のページにまとめています。すでに現実の場での接触が始まっている場合はストーカー専門対策室、近隣からの被害に限られる場合は近隣トラブル調査をご覧ください。
こちらもチェック
自転車の人物につきまとわれた|ナンバーが撮れて相手が判明したつきまとい調査の依頼事例(東京都新宿区・30代女性)
つきまといではなかった|2日間の調査で分かったこと(東京都新宿区・20代女性・大学院生)
防犯対策サポート調査|自宅・SNS・ストーカー・嫌がらせの不安を証拠から確認する方法
犯人が分からない段階で構いません
心当たりがない、証拠がないと言われた。その状態からのご相談がいちばん多い領域です。
日付を並べた表が一枚あれば、それだけで十分です。新宿支店では、調査にならないご相談もお受けしています。

匿名でのご相談も可能です/新宿エリア対応
特定できなかった場合に、何が残るのか
ここを書いている探偵社はほとんどありませんが、実際にはこの話がいちばん必要になります。調査には限界があります。日数をかけても、その期間に行為が起きなければ、現場は押さえられません。
当社では、着手前に打ち切りの基準を決めてご説明します。「何日やって、何が確認できなければ、いったん止める」という形です。延々と続けて費用だけが積み上がる、という状態にはしません。
そのうえで、特定に至らなかった場合でも、手元には次のものが残ります。
特定に至らなかった場合に残るもの
- 調査期間中に何が起きなかったか「この期間、監視下では発生しなかった」という事実です。相手が当社の動きを察知して止めた可能性を含め、その後の判断材料になります。実際、調査に入った時点で被害が止まるケースがあります
- 物理的に可能だった範囲の確定誰にできて、誰にはできなかったか。この範囲が書面で残るだけで、警察や管理会社への説明が通りやすくなります
- 整えられた時系列散らばっていた記録が、第三者が読める形になります。次に被害が起きたときに、そのまま続けられる形です
- 次に何を確認すべきかの整理この経路は消えた、この可能性が残っている。絞り込みが進んだ状態で終わります
「特定できなければ意味がない」とお考えになるのは当然ですが、確かめないまま抱えている状態がいちばん消耗します。範囲が狭まるだけでも、日常の過ごし方が変わります。
特定できた後の選択肢
相手が分かったあと、何をするかはご依頼者が決めることです。当社は代わりに動きません。ただ、行き先ごとに必要な材料が違うので、そこはご説明します。
いま、どこへ持って行くか
身の危険を感じることがあるか
あるほかの選択肢より先に警察です。緊急でなければ♯9110(警察相談専用電話)。すでに接触や待ち伏せがある場合は、迷わず110番を使ってくださいない次の問いへ進んでください財産への被害や、明らかな違法行為があるか
ある器物損壊、住居侵入、名誉毀損。被害届の提出が選べます。受理されやすい記録の形があるので、出す前にご相談くださいない次の問いへ進んでください相手と同じ建物・同じ職場か
そうだ管理会社・管理組合・勤務先が先に動ける立場にあります。ただし、出す資料の形が整っていないと動きません。ここが最も多いご相談です違う損害賠償や差止めを考える場合は弁護士の領域です。当社の報告書はそのまま使える形でお渡しします
どの行き先を選ぶ場合も、ご自身から相手に接触することはお勧めしていません。伝えた瞬間に「当事者間の揉め事」に変わり、周囲から見た構図が対等になります。また、こちらが指摘した記録だけが残ることがあります。
ご相談から報告までの流れ
いま起きていること、手元にある記録、心当たりの有無を伺います。この時点で「調査は不要です」とお伝えすることもあります。
お持ちの記録が使える形かを確認し、足りない部分をお伝えします。ご自身で進められる範囲は、ご自身でやっていただきます。
確認したい事実、必要な日数と人員、打ち切りの基準を決めます。金額と範囲は着手前に書面でお渡しします。
合意した範囲で確認を行います。途中で状況が変わった場合は、続けるかどうかを一度ご相談します。
確認できた事実を、提出先に合わせた形でまとめてお渡しします。確認できなかったことも、そのまま書きます。
こちらもチェック
配信者を狙うネットストーカー|視聴者からの執着と個人情報特定への対策
歌舞伎町の飲食店を出た後から同じ人物がついてくる|客引きか偶然か、つきまといかを確認したい
ストーカー調査の事例|新宿区で実際にあったこと(費用の実額つき)
費用と期間の考え方
嫌がらせ調査の費用は、一律ではありません。変わるのは次の四つです。
日数。発生の間隔が空いているほど、待つ日数が必要になります。毎日起きている案件と、月に一度の案件では、必要な日数がまったく違います。
人員。出入口が複数ある建物、広い駐車場、屋外の現場では、一人では見きれません。現場の条件で決まります。
時間帯。深夜帯・早朝帯は体制が変わります。
範囲。現地の確認だけなのか、行動の確認まで含むのか。ここはご相談のうえで決めます。
そして繰り返しになりますが、第一段階と第二段階をご自身で進めていただいているほど、必要な日数が減ります。記録を持ってご相談いただくことが、そのまま費用に効きます。
ご相談自体は無料です。着手前に、金額と範囲と打ち切りの基準を書面でご説明し、納得いただいてからの着手になります。
よくあるご質問
A. なります。むしろ、心当たりがないというご相談がいちばん多い領域です。被害の時間帯と場所から、行為が可能だった人の範囲を絞るところから始めます。心当たりの有無は、着手の条件にしていません。
A. 設置場所と画角の問題であることが多いです。被害箇所だけを写していると、そこへ近づく経路が映りません。また、存在が見えるカメラは、行為の場所を移動させる効果しかないことがあります。映らなかった理由から確認します。
A. 何が足りないのかを分解します。被害届が受理される記録と、されない記録には違いがあります。多くの場合、足りないのは記録の量ではなく、日時と場所が特定できる形になっていないことです。取り直しの方法をお伝えします。
A. お受けできます。ただし「見当がついている」という前提は、いったん外して進めます。結論を先に置くと、その人物に合う事実だけを拾ってしまうためです。確認の結果、別の人物だったというケースは実際にあります。
A. 被害の発生間隔によります。毎日起きている案件は短く、月に一度の案件は長くなります。期間は着手前に決め、その範囲を超える場合は一度ご相談します。期限を決めずに続けることはしません。
A. ご依頼者の名前を出して周囲に接触することはしません。知られるおそれがあると判断した場合は、その時点でご報告し、続けるかどうかをご相談します。相手に気づかれることが、いちばん避けたい結果です。
A. お受けしていません。相手への警告・交渉・接触は、当社の業務の範囲外です。法的な申し入れが必要な場合は弁護士の領域になります。当社は、そのために使える材料を整えるところまでです。
A. 実施した範囲の費用はいただきます。ただし着手前に打ち切りの基準を決めるため、想定を超えて積み上がることはありません。また、特定に至らなかった場合も、確認できた事実と絞り込みの結果は書面でお渡しします。
まず、記録が使える形かを見せてください
手元にある写真やメモが、そのまま使えるかどうか。そこを確かめるだけでも、次の一手が変わります。
調査が必要ない場合は、そうお伝えします。まずは今の状況をそのままお聞かせください。

匿名でのご相談も可能です/新宿エリア対応
ファミリー調査事務所 新宿支店|東京都公安委員会 探偵業届出証明書 第30140007号
当社は探偵業の業務の適正化に関する法律に基づく届出を行い、同法の定めに従って業務を行っています。ご依頼の前に、重要事項をご説明し、書面を取り交わします。
※ 本記事に引用した条文は、e-Gov法令検索で2026年9月時点に施行されている「探偵業の業務の適正化に関する法律」により確認したものです。個別の事案が犯罪に該当するかどうかの判断は、警察および弁護士の領域です。



新宿支店
このご相談で、最初にお願いしているのが「日付だけ並べてみてください」です。形式は問いません。手書きのメモでも構いません。
不思議なもので、並べた時点で楽になる方が多いです。自分の感じ方の問題ではなかったと確認できるからだと思います。逆に、並べてみたら偏りがなく、思っていたほど連続していなかった、という方もおられます。その結果にも意味があります。
「証拠がない」と言われて止まっている方ほど、記録自体はお持ちです。足りないのは量ではなく形なので、そこを一緒に直すところから始めます。