現地の事業に出資した。輸入販売の話に乗って前払いした。交際している相手に送った。病気だと言われて支援した——ベトナムがらみの金銭トラブルは、この4つのどれかから始まります。

ベトナム返金を求める前に、確認すべきこと

そして、返金を求めたいと思ったとき、多くの方が同じところで止まります。相手の所在も実態も分からない。これでは話し合いも、法的な対応も始められません。

このページでは、新宿の探偵が、返金を求める前に確認しておくべきことを順番にご説明します。当社は回収も交渉も行いません。探偵の業務ではないからです。それでも、先にやっておかないと取り返しがつかなくなることがいくつかあります。ご相談は無料です。

ご相談は、4つの型に分かれます

① 現地事業への出資

カフェ、飲食店、不動産、工場。「日本円で出資すれば現地で何倍にもなる」という説明から始まります。現地法人の登記や許認可の書類を見せられることも多く、その書類が本物かどうかが分かれ目になります。

② 輸入・取引の前払い

法人からのご相談です。前払いしたのに届かない、納品したのに支払われない。相手の会社が実在するかどうかから確かめます。登記を見た時点で説明と食い違うことが、実は少なくありません。

③ 交際・結婚を前提にした送金

SNSやマッチングアプリで知り合い、やりとりが続いたあとに送金を求められる型です。最初は少額です。信頼関係ができてから金額が上がります。

④ 病気・事故を理由にした支援

③から派生します。入院した、家族が事故に遭った、手術費が足りない。断りにくい理由が選ばれています。そしてこの型は、一度応じると繰り返されます。

③と④は、投資の話とセットになることがあります。交際が先にあり、信頼ができたところで投資を持ちかけられる形です。手口の型は国を問わず共通しているので、SNSの投資グループで出金できないときとロマンス詐欺の見分け方と対処法もあわせてお読みください。

警察庁の統計では、令和7年のSNS型ロマンス詐欺は5,604件・約552億円、SNS型投資詐欺は9,538件・約1,275億円とされています。ご自身だけの話ではありません。

最初に確認すること|送金先の口座は、どこの国ですか

ここが最初の分かれ目です。そして、いちばん時間を争います。

送金先先に当たる先
日本国内の銀行口座送金した金融機関と警察。振り込め詐欺救済法の手続が使える可能性があります
ベトナムの銀行口座日本の制度は使えません。弁護士にご相談ください
暗号資産銀行口座ではないため、口座を止める枠組みが働きません

日本の口座に振り込んだ場合|振り込め詐欺救済法

正式には「犯罪利用預金口座等に係る資金による被害回復分配金の支払等に関する法律」といいます。

  • 金融機関が口座の取引を停止し、預金保険機構のウェブサイトで公告されます
  • 公告後、60日以上の期間を定めて、口座名義人が権利を主張する機会が設けられます(同法第7条)
  • その期間が過ぎると預金等債権が消滅し、被害者への分配手続に進みます

口座が空になる前に止められるかどうかが、すべてです。「もう少し様子を見てから」の数日で、残高が消えます。

順番はこうです。

① 送金した金融機関と警察に申し出る → ② 弁護士に相談する → ③ そのうえで、必要なら調査。

この順番を飛ばして探偵にご相談いただいても、いちばん時間を争う部分が進みません。当社に先にご連絡いただいた場合も、この案内からお伝えします。当社は法律判断をしません。「まずここに当たってください」とお伝えして、弁護士にお繋ぎするところまでが役割です。

【重要】1,000万ドンという線を、覚えておいてください

ここは、他ではあまり説明されていないところです。ご自身の記録を見返すときの、はっきりした手がかりになります。

ベトナム国家銀行 決定2345/QĐ-NHNN(2024年7月1日施行)

  • 1回あたり1,000万ドンを超える送金には、顔認証による本人確認が必須になりました
  • 1日の累計が2,000万ドンを超えた場合、その日それ以降の送金は、金額にかかわらず生体認証が必要です
  • さらに2025年1月1日からは、通達17/2024・18/2024により、顔の情報がICチップ入り身分証明書のデータ、またはVNeID(電子身分証)と一致することが求められています

※1,000万ドンは、為替にもよりますがおおよそ6万円前後です。

ここから読み取れることが、2つあります。

ひとつ。「1回の金額を抑えて、何回かに分けて送ってほしい」と指示されていた場合——その指示には理由があったかもしれません。生体認証と身分証との照合を避ける動き方と、形が重なります。

もうひとつ。逆に、まとまった額がベトナムの口座に着金しているなら、その口座の名義人は、顔と身分証を照合したうえで開設・利用していることになります。つまり実在する誰かの名義です。それが相手本人なのか、名義を貸しただけの別人なのかで、この先の進め方が変わります。

やりとりを見返して、送金の指示のしかたを確認してください。回数、金額の刻み方、受取人名の変更。そこが、あとで効いてきます。

証拠の整理|相手が消える前に、残しておくもの

これがいちばん大事です。そして、いちばん取り返しがつかない部分でもあります。

いますぐ保存してください

  • 送金の記録——日付、金額、送金方法、手数料。通帳、明細、送金控え
  • 受取先の情報——銀行名、支店、口座番号、受取人名のアルファベット表記そのまま
  • 相手の名前——名乗っていた氏名。ベトナム語表記が分かるなら、それも
  • 電話番号——国番号(+84)を含めた形で
  • SNSアカウント——URL、ユーザー名、表示名。プロフィール画面のスクリーンショット
  • 契約書・領収書・見積書——写真でも構いません
  • 渡された書類——会社案内、登記の写し、許認可証、身分証の画像
  • やりとりの履歴——全部です。期間を絞らずに

やりとりは、絶対に消さないでください。

「見たくないから」「腹が立つから」というお気持ちは、本当によく分かります。それでも、消した瞬間に唯一の資料がなくなります。見るのがつらければ、スクリーンショットだけ撮って、フォルダにまとめて閉じてください。開かなくて構いません。

そしてアカウントを削除されたり、ブロックされたりする前に保存してください。相手側から消されると、こちらには何も残りません。

警察でも弁護士でも、最初に聞かれるのは同じことです。「いつ、誰に、どこへ、いくら送りましたか」。ここに即答できるかどうかで、話の進み方がまったく変わります。

手元の記録がバラバラで整理できないという場合、その整理自体を当社でお引き受けできます。時系列にまとめて、届出や弁護士へのご相談にそのまま使える形にします。実はこれが、いちばん喜ばれている仕事です。

では、探偵は何をするのか

制度が動く部分は制度に任せます。口座を止めるのは金融機関と警察、交渉と回収は弁護士。当社が担当するのは、どこも答えを出してくれない部分です。

  • 相手が実在するのか。名乗っている人物が、本当にその名前で、その場所にいるのか
  • 説明されている会社が実在するのか。登記、所在地、代表者、事業の状態
  • 登記上の住所が、実在の事業所かどうか。書類上は存在していても、そこに何もないことがあります
  • 渡された資料が本物か。許認可、証明書、会社案内を、公開されている情報と突き合わせます
  • 記録の整理。いつ・誰に・どこへ・いくら送ったかを時系列にまとめます
  • 相手の現況。会社が存続しているか、登記に変更がないか、事業を続けているか

先に、無料でできることをお伝えします

相手が「ベトナムの会社」を名乗っている場合、その会社が実在するかどうかは、ご自身で無料で確認できます。

ベトナムには国家企業登録ポータル(Cổng thông tin quốc gia về đăng ký doanh nghiệp)という公的なサイトがあり、企業コード(mã số doanh nghiệp)や社名で、会社の登録状態を無料で調べられます。

ここで出てこない会社は、その時点で話が変わります。まずご自身で当たってみてください。それで済むなら、調査を依頼する必要はありません。

当社にご依頼いただくのは、そこから先だけで構いません。登記はあるのに実態が見えない、書類と説明が食い違う、住所に何があるのか分からない——無料で分かる範囲を超えたところが、当社の仕事です。詳しくは取引先・採用相手の実態確認もご覧ください。

確認できること、確認できないこと

確認できること

  • 相手が名乗っている人物として実在するか
  • 会社の登記と、その内容(代表者・資本金・所在地・変更の履歴)
  • 登記上の所在地が、実在の事業所かどうか
  • 相手の現在の生活実態(住まい、勤め先、日常の行動)
  • 対象の方ご本人についての評判・風評
  • やりとり・送金記録・提示された資料の整理と照合

確認できないこと

  • 送金先の口座の名義人が誰か。第三者が照会することはできません
  • 暗号資産の送金先アドレスの持ち主。特定はできません
  • 相手の資産や借入の状況。信用情報は取れません
  • お金が今どこにあるか
  • 相手の位置情報。後述のとおり、ベトナムでは位置情報が機微な個人データに指定されています

ベトナムの業者に丸投げできない理由

「現地の業者に頼めば早いのでは」——よくいただくご質問です。ここは、はっきりお伝えしておきます。

ベトナム個人データ保護法(法律第91/2025/QH15号・2026年1月1日施行)

  • 個人データの売買が、法律で明文的に禁止されました(法律が明示的に認める場合を除く)
  • 違法な売買に対する制裁は最低30億ドン、または違法に得た利益の最大10倍
  • ベトナム国民500万人以上に影響する違反では、前年度売上の3〜5%という水準が定められています
  • 位置情報が「機微な個人データ」に明記されています

※これに先立ち、政令13/2023/NĐ-CPが2023年7月1日から個人データの保護を定めていました。2026年施行の新法で、規制が一段と強くなっています。

つまり、こういうことです。

「名簿を持っているので調べられます」という進め方は、この法律の下では危険です。出所の分からないデータを買ってくる調査に、当社は乗れません。依頼者の方まで巻き込むおそれがあるからです。

加えて、ベトナムには日本の探偵業法にあたる免許制度がありません。「探偵事務所」を名乗っていても、その看板が何を保証しているのかが分からない。「すぐ見つけます」「すぐ取り返せます」と請け合う相手ほど、危ういとお考えください。

ですので当社は、日本人の調査責任者が現地に入り、こちらの指揮で組み立てます。現地に丸投げはしません。確認できることと、確認できないことを、はじめにはっきりお伝えします。

進め方そのものは記事に書きません。公開されている手順は、調べられる側にも読めるからです。

ご自身でやらないほうがいいこと

  • 追加で送金すること。「出金の手数料」「税金」「凍結の解除」「弁護士費用」——名目が何であれ、いったん止めてください。これがいちばん多い二次被害です
  • やりとりや送金履歴を消すこと。絶対に消さないでください
  • 「返金できます」という業者に依頼すること。被害が出た後に近づいてくる手口が、はっきり増えています。前払いで回収を請け負う相手には、特にご注意ください
  • 相手を問い詰めること。やりとりが消され、ブロックされ、証拠がなくなります。確保が先です
  • ご自身でベトナムへ行って直接会おうとすること。相手がそこにいる保証はありませんし、危険です
  • SNSで実名を出して書くこと。事実が確定する前の書き込みは、ご自身の立場を悪くすることがあります
  • 相手の位置情報を取ろうとすること。前述のとおり、ベトナムでは位置情報が機微な個人データに指定されています

費用の考え方

段階中身
① ご相談無料です。まず「先にやるべきこと」が残っていないかを確認します
② 記録の整理やりとり・送金記録・提示された資料を時系列にまとめます
③ 相手・会社の実態確認登記の取得と照合、所在地の確認。取得費・翻訳費は実費
④ 現地での確認行動調査 1時間50,000円(調査員2名のチーム単価・実働4時間から)。必要かどうかは②③の結果で判断します
渡航費・現地滞在費実費。別途申し受けます
通訳・翻訳実費。別途申し受けます

②と③で答えが出てしまうことが、少なくありません。会社が登録されていない、代表者に名前がない、住所に事業所がない——それが分かれば、それ以上の費用は不要です。

すでに被害が出ている方に、これ以上の支出を重ねていただくわけにはいきません。どこまでやるべきかを、ご相談の段階で正直にお伝えします。「ここまでで十分です」と申し上げることもあります。

お受けできないご依頼

はっきり申し上げます

  • 回収を行いません。お金を取り返す業務は、探偵の仕事ではありません
  • 交渉を行いません。相手方との話し合いは弁護士の領域です
  • 「必ず取り戻せます」とは申し上げません。そう言う相手のほうを疑ってください
  • 相手方への接触・追及は行いません。確かめて、記録に残すまでです
  • 送金先口座の名義人の照会や、暗号資産アドレスの持ち主の特定はできません
  • 出身地、本籍、家柄、国籍、親族の系譜を判断材料にするための調査。探偵業法第9条第1項によりお受けできません。「情報だけもらって判断はこちらでする」というご依頼も同じ扱いです
    ——ただし、対象の方ご本人についての評判・風評の聞き取りは行います
  • 見つけたあとに、接触・脅し・嫌がらせにつながるご依頼

お受けできないご依頼でも、ご相談自体はお受けします。「それはお受けできませんが、代わりにこの道があります」とお伝えするためです。断って終わりにはしません。

よくある質問

送ったお金は戻ってきますか?

当社にはお答えできません。ただし、日本国内の口座に振り込んだ場合は、振り込め詐欺救済法の手続が使える可能性があります。公告のあと60日以上の期間が定められ、その後に分配の手続へ進みます。口座に残高が残っているうちに止められるかどうかがすべてです。まず送金した金融機関と警察へ、そして弁護士へご相談ください。

ベトナムの口座に送ってしまいました

日本の制度は使えません。弁護士にご相談ください。そのうえで当社にできるのは、相手や会社が実在するかを確かめること、そして記録を届出や相談に使える形に整えることです。

暗号資産で送ってしまいました

銀行口座ではないため、口座を止める枠組みが働きません。送金先アドレスの持ち主を特定することもできません。それでも、相手が名乗っている人物や会社が実在するかどうかは確かめられます。そして、いつ・どこへ・いくら送ったかを時系列に整えておくことは、届出にも弁護士へのご相談にも必ず使います。

「小分けにして送って」と言われていました。何か意味がありますか?

ベトナムでは2024年7月1日から、1回1,000万ドンを超える送金に顔認証による本人確認が必須になり、2025年からは身分証のICチップやVNeIDとの照合も求められています。1回の金額を抑える指示には、それを避ける意味があった可能性があります。断定はできませんが、やりとりを見返す価値のある点です。回数と金額の刻み方を確認してみてください。

相手の会社が本物か調べてもらえますか?

できます。ただしその前に、ご自身で無料で確認できます。ベトナムの国家企業登録ポータルで、企業コードや社名から登録状態を調べられます。そこで出てこなければ、その時点で答えが出ます。登記はあるのに実態が見えない、書類と説明が食い違うというところから先が、当社の仕事です。

ベトナムの探偵に直接頼めませんか?

ベトナムには日本の探偵業法にあたる免許制度がありません。看板が何を保証しているのかが分からない状態です。加えて2026年1月1日施行の個人データ保護法(法律第91/2025/QH15号)で、個人データの売買が明文で禁止されました。「名簿で調べられます」という進め方は、依頼者の方まで巻き込むおそれがあります。

警察に相談しても動いてくれませんでした

資料が足りない段階では、動きようがないことがあります。いつ・誰に・どこへ・いくら送ったのか、相手をどう名乗っていたのか、何を見せられたのか。これが時系列で整っているかどうかで、対応が変わります。整理そのものを当社でお引き受けできますので、まずご相談ください。

費用はどのくらいですか?

ご相談は無料です。記録の整理と登記の確認だけで済むことも多く、その場合は現地調査の費用はかかりません。現地での確認が必要になった場合は、行動調査が1時間50,000円(調査員2名のチーム単価・実働4時間から)です。必要のない調査はおすすめしません。

新宿まで行けないのですが

お電話とオンラインでのご相談を承っています。まず状況を伺って、「先にやるべきこと」が残っていないかを確認するところから始めます。それだけで終わることもあります。

中国がらみの送金の場合は、中国での調査は何ができるのか|日本から確かめられることをご覧ください。

台湾がらみの送金の場合は、台湾での調査は何ができるのか|窓口と、1年の期限をご覧ください。

タイについてはタイでの調査は何ができるのかに、窓口の分かれ方と、日本から確かめられる範囲をまとめています。

国ごとのまとめもあります。アジアは韓国/中国/台湾/タイ/フィリピン/シンガポール/ミャンマー。北米・中東・ハワイはアメリカ/ニューヨーク/ハワイ/ドバイ。全体の見取り図は海外での調査は何ができるのか|7つの型と、国別にできることをご覧ください。

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