SNSのダイレクトメッセージから始まった。やりとりはLINEに移った。相手はシンガポール在住だと言っている。投資の知識を教えると言われ、少額から始めたら本当に利益が出た——このご相談が、いま急に増えています。

このページでは、まずご自身で、いますぐ、無料でできる確認をお伝えします。シンガポールは、会社が実在するかどうかを誰でも無料で調べられる国です。相手が会社名を出しているなら、その場で確かめられます。

そのうえで、探偵に何ができて何ができないのかを正直にご説明します。先に申し上げておくと、当社は返金も回収も交渉も行いません。それは探偵の業務ではないからです。

このような状況ではありませんか?

  • SNSのDMから始まり、LINEに移ってやりとりが続いている
  • 相手はシンガポール在住だと言っている
  • 少額では利益が出た。それで信じた
  • 出金しようとしたら、口座が凍結されたので解除に送金が必要だと言われた
  • 解除したはずなのに、また凍結されたと言われている
  • 相手と、まだ一度も直接会っていない

なぜ「シンガポール在住」と名乗るのか

相手が名乗る場所には、理由があります。

シンガポールは、アジアの金融の中心地として知られています。「投資に詳しい人がいそうな場所」として、日本の方が違和感を持ちにくい。それが理由です。

ニューヨークやロンドンだと少し遠く感じる。東南アジアの別の国だと、投資の話に説得力が出にくい。シンガポールは、その中間にあります。時差は日本のマイナス1時間で、やりとりの時間帯も自然です。飛行機で7時間程度、ビザなしで行ける——「会おうと思えば会える」という距離感も、信じやすさに効きます。

ここで申し上げたいのは、シンガポールが怪しい国だということではありません。まったく逆です。後の項でご説明しますが、シンガポールは詐欺への対策をむしろ強く進めている国です。

問題は、「シンガポール在住」という言葉が、確かめられないまま信用に変わっていることです。だから、確かめます。

数字で見ると、何が起きているのか

警察庁が公表している令和7年の数字です。

区分認知件数被害額前年比
SNS型ロマンス詐欺5,604件552.2億円件数 +46.5%/被害額 +37.8%
 うち暗号資産送信型2,148件246.3億円件数 +173.3%/被害額 +188.0%
SNS型投資詐欺9,538件1,274.7億円件数 +48.7%/被害額 +46.3%
 うちDM起点3,576件—件数 +67.7%

暗号資産を送らせる型が、1年で件数2.7倍・被害額2.9倍に増えています。ロマンス詐欺の被害額のうち47.9%が、この型です。

そしてSNS型投資詐欺では、ダイレクトメッセージから始まった件数が1年で1.7倍。——冒頭に挙げた「DMから始まり、LINEに移り、暗号資産を送る」という流れは、いま最も増えている形そのものです。

ご自身が特別に不注意だったわけではありません。これだけの人が同じ形で相談しています。

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会社は、無料で確かめられます

デスクの上のノートパソコン

ここが、このページでいちばんお伝えしたいところです。

シンガポールでは、会社の登記を管理しているのがACRA(会計企業規制庁)という政府機関です。そしてBizFileという公式サイトで、誰でも、アカウントを作らずに、無料で次の3つを確認できます。

BizFile の無料検索で分かること

  • その会社が実在するかどうか
  • 渡された社名とUEN(会社の登録番号)が一致しているかどうか
  • 現在の登録状態——Live(現存)/Struck Off(登記抹消)/In Liquidation(清算中)など

社名またはUENを検索欄に入れるだけです。これで、会社の話が本当かどうかの一次判定ができます。

無料では分からないこと

次の情報は、有料のBusiness Profile(登記情報の写し)を購入しないと出てきません。

  • 設立日
  • 登記上の住所
  • 事業内容(SSICコード)
  • 払込資本金
  • 取締役・会社秘書役・株主の一覧と持分
  • 直近の年次報告の提出日

つまり、「会社があるかどうか」までは無料、「誰がやっているか」からは有料です。

相手が「うちの会社の代表だ」と言っているなら、取締役一覧にその名前があるかどうかで分かります。ここは有料の範囲ですので、当社にご依頼いただければ取得して照合します。

韓国とは正反対です。韓国では住民登録番号も家族関係登録簿も第三者には閉じていますが、シンガポールは会社については誰にでも開いています。国によって、確かめられるものがこれだけ違います。

確かめた結果を、どう読むか

調べたあとの読み方です。ここを間違えると、安心すべきでないところで安心してしまいます。

検索結果どう読むか
社名がまったく出てこないシンガポールに登記された会社ではありません。相手の説明と食い違っています
社名はあるが、UENが渡されたものと違う実在する別の会社の名前を借りている可能性があります。もっとも多い形です
Struck Off(登記抹消)/In Liquidation(清算中)もう活動していない会社です。「実在します」という説明は成り立ちません
Live で、社名もUENも一致するここで安心しないでください。会社が実在することと、その人がその会社の人であることは別です。次を読んでください

会社が実在していても、相手がその会社と無関係であることは普通にあります。シンガポールの会社登記は公開されているので、実在する会社の名前を使うのは、誰にでもできます。

ですから確かめるべき順序はこうなります——①会社は実在するか(無料)→ ②その会社の役員・株主にその人の名前があるか(有料)→ ③その人物が実在し、説明どおりの人物か(調査)。①で終わっているうちは、まだ何も確かめていないのと同じです。

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シンガポールという国の実際

夜のデスクで光るスマートフォン

「シンガポールだから安全」でも「シンガポールだから怪しい」でもありません。実際のところをご説明します。

詐欺を止める側の法律が、新しくできています

シンガポールではProtection from Scams Act 2025(詐欺からの保護法)が2025年7月1日に施行されました。

Restriction Order(送金制限命令)

  • 警察が、詐欺被害を受けていると見られる本人の銀行口座に、送金を制限する命令を出せます
  • 延長は5回が上限と法律で決まっています
  • 生活費の引き出しは、警察の承認により認められます
  • 2026年2月15日時点で12件が発出。うち1件が解除、2件が延長上限に達して終了、9件が継続中と公表されています

本人が「これは詐欺ではない」と信じ込んでいても、警察の側から送金を止められるようにした——それがこの法律です。シンガポールは、詐欺を放置している国ではありません。むしろ踏み込んでいる側です。

ただしこれはシンガポール国内の銀行口座に対する制度です。日本にお住まいの方が日本の口座から送金する場合には働きません。そこは正直に申し上げます。

探偵は免許制です

シンガポールでは、探偵業がPrivate Security Industry Actに基づく免許制になっています。免許を持たずに調査業務を行うことは、法律に触れます。

ですから「現地の業者に丸投げする」という形は取りません。できることの範囲を、制度の内側で組み立てます。韓国は逆に免許制度そのものが存在しない国で、国ごとに前提がまったく違います。

また、個人情報の取り扱いはPersonal Data Protection Act(PDPA)で規律されています。「何でも調べられる」という説明が出てこない理由です。

探偵に確認できること、できないこと

確認できること

  • 会社の登記情報の取得と照合。設立日、登記住所、事業内容、資本金、取締役・株主の一覧。渡された説明と一致するかを確かめます
  • 名乗っている人物が、その会社の役員・株主に実在するか
  • 示された住所が、実在する事業所かどうか。私書箱や登記代行業者の住所だけであることは珍しくありません
  • やりとりの記録と送金記録の整理。いつ、誰に、どこへ、いくら。時系列にして、届け出や相談に使える形にまとめます
  • 示された資料の照合。ライセンスや証明書の画像を渡されている場合、公開されている登録情報と突き合わせます

確認できないこと

  • 送金先の暗号資産アドレスの持ち主が誰か。特定はできません
  • 相手の本名・実際の居場所。写真も名前も他人のものであることがほとんどです。手がかりが乏しければ、実在しない人物を探すことになります
  • 相手の通信の中身。取得しません
  • お金の回収。行いません

回収も交渉も、探偵の業務ではありません。これは弁護士の領域です。当社がお手伝いできるのは、何が事実で何が説明にすぎないかを分けて、記録として残すところまでです。その先は弁護士や警察にお繋ぎします。

「返金できます」と言う相手には、絶対に応じないでください。その手口についてはロマンス詐欺の見分け方と対処法のページで詳しくご説明しています。

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この段階で、やらないほうがいいこと

  • 追加で送金すること。「凍結解除のため」「税金のため」「保証金のため」——名目が何であれ、出金のために送金を求められている時点で、いったん止めてください
  • 相手を問い詰めること。やりとりが消され、証拠がなくなります
  • やりとりや画面を削除すること。削除しないでください。LINE、DM、送金履歴、アプリの画面——すべて残してください。これが唯一の資料です
  • 「返金できる」という業者に依頼すること。二次被害がはっきり増えています
  • ご自身でシンガポールに行くこと。会いに行っても、相手はそこにいません

いま利益が出ているように見えていても、その画面は相手が作ったものかもしれません。出金できるかどうかで判断してください。「あと一度送れば出金できる」と言われている方は、SNSの投資グループで出金できないときもあわせてお読みください。

費用の考え方

このご相談は、いきなり現地に人を出す調査ではありません。まず資料の照合から始めます。そのほうが確実で、費用も抑えられます。

段階中身
① ご相談無料です。いま分かっていることを伺い、確かめられる範囲をお伝えします
② 記録の整理やりとり・送金記録・示された資料を時系列にまとめます。届け出や弁護士への相談にそのまま使える形にします
③ 登記情報の取得と照合取締役・株主・登記住所・資本金を取得し、説明と突き合わせます。実費が別途かかります
④ 現地での確認示された住所が実在の事業所かどうかなど。ここまで必要かどうかは、②③の結果で判断します

②と③で答えが出てしまうことが、実は少なくありません。会社が登記されていない、あるいは役員に名前がない——それが分かれば、それ以上の費用をかける必要はありません。

必要のない調査はおすすめしません。すでに被害が出ている方に、さらに支出を重ねていただくわけにはいきません。ご相談の段階で、どこまでやるべきかを正直にお伝えします。

よくある質問

送ったお金は戻ってきますか?

当社は回収も交渉も行いません。探偵の業務ではないためです。お手伝いできるのは、何が事実で何が説明にすぎないかを分けて記録に残すところまでで、その先は弁護士や警察にお繋ぎします。「返金できます」と近づいてくる業者には、絶対に応じないでください。二次被害がはっきり増えています。

BizFileで会社が見つかりました。もう大丈夫ですか?

いいえ。会社が実在することと、その人がその会社の人であることは別です。シンガポールの会社登記は公開されているので、実在する会社の名前を使うのは誰にでもできます。役員・株主の一覧にその人の名前があるかどうかは、有料の登記情報を取らないと分かりません。

相手の本名や居場所は分かりますか?

正直に申し上げると、難しいです。写真も名前も他人のものであることがほとんどで、手がかりが乏しければ、実在しない人物を探すことになります。暗号資産の送金先アドレスから持ち主を特定することもできません。当社が確かめられるのは、相手の説明が事実と合っているかどうかです。

まだ送金していません。相談してもいいですか?

その段階でのご相談が、いちばん役に立ちます。まずご自身でBizFileを検索してみてください。それで食い違いが出れば、それ以上進む必要はありません。判断に迷う結果が出たときに、ご相談ください。

警察には行きましたか、と聞かれます

被害が出ているなら、警察への届け出をおすすめします。そのときに、いつ・誰に・どこへ・いくら送ったかが時系列で整理されていると、話が早く進みます。その整理をお手伝いするのが当社の役割のひとつです。

シンガポールの警察に、送金を止めてもらえませんか?

シンガポールのProtection from Scams Act 2025による送金制限命令は、シンガポール国内の銀行口座に対する制度です。日本にお住まいの方が日本の口座から送る場合には働きません。日本側での対応になります。

相手に、調べていることを知られませんか?

登記情報の取得は公開制度の利用ですので、相手に伝わることはありません。現地での確認が必要になった場合も、知られないように組みます。

恥ずかしくて、家族にも話せていません

令和7年だけで、SNS型ロマンス詐欺が5,604件、SNS型投資詐欺が9,538件です。ご自身が特別に不注意だったわけではありません。ご相談は無料で、内容が外に出ることはありません。

国ごとのまとめもあります。アジアは韓国/中国/台湾/タイ/フィリピン/ミャンマー。北米・中東・ハワイはアメリカ/ニューヨーク/ハワイ/ドバイ。全体の見取り図は海外での調査は何ができるのか|7つの型と、国別にできることをご覧ください。

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